〜企業の節電対策と効果〜
企業の柱 ![]() 同社のホームページの巻頭に「4S」という言葉が目に入る。製造業の習いで4S、5Sとは職場の整理整頓といった社員教育の標語である場合が多いが、同社の場合、Smile(笑顔)・Service(奉仕)・Speed(迅速)・Sincerity(誠実)といった、モノづくりの現場だけでなく、生き方そのものまで含んだ内容になっている。 今年の節電対策 ![]() 「先の代から、当社は他の製造業とは幾分異なったユニークな経営方針を採っていました。生産設備・技術を最適にして高品質なモノづくりを通して社会貢献するのはもちろん、社員の雇用、社会・地球の環境保全をも重要課題の1つとして実践し、内外にアピールしてきました」。そのような背景の下、「震災についてはお陰さまで、建物などの構造物に対しては、影響はほとんどありませんでした。しかし、電力不足から大口需要家にはピーク消費電力量に対して15%減の要請があり当社は大口需要家ではありませんが、自主的に実践したのは次の2つです。1つは、従来の事務所スペースをパーティションで半分に区切り書庫とし、冷房電力が従来の半分で済んだこと。もう1つは工場内にあったマシン用のコンプレッサ7台をサージタンクとインバータ制御のコンプレッサを含む2台に減らしたこと。集中配管工事と電磁弁の付け替えなど多少の出費はあったものの、7台分のコンプレッサが2台になったことで電力だけでなく、メンテナンス費用も軽くなり、全体の電気使用もグンと減りました。また、従来の電灯をLEDに変えたことで電気代は1/6にまで落とすことができました」とグラフを提示しながら取り組みと成果を話す。また、事務所を見せてもらったが、半分にしたといっても、まだまだゆったりとしたスペースがあり、こせこせした感じはまったく無かった。 さらに特筆すべきことは、節電が叫ばれるよりはるか以前の2004年に社屋の屋上に芝生を張り、暑さ寒さの温度調節に「自然」の恩恵を受けたこと。1994〜1997年にかけて工場・事務所に続き第二工場新築、その後に屋上緑化(2,520m2に芝生を張り付けた)による温度緩和が夏冬に効果的だったことが挙げられる。... つづきは本誌2011年11月号でご購読下さい。 |