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![]() 知りたかった冷蔵庫の事情 ![]() 本社工場では業務用冷蔵庫を年間で約4万4,000台を生産する。これに対して機種数は約1,500機種の多品種少量生産となっており、2台に1台は異なる機種が流れてくる勘定になる。同業務用冷蔵庫はほとんどが外食産業向けで、耐用年数は、10年位使われているお客さまもあるという。 節電製品需要が高まって販売は好調で、生産はさらに増える勢い。生産ピークは春から夏にかけてで、生産台数は月間約4,000台、今年の6月の生産は1日あたり約180台、機種は約110種となっている。 基本的には製品や仕掛品の在庫は持たずに後工程が引き取った台数だけ生産するプル型のJIT生産を行い、製品バッファーとして在庫しているのは半月分程度のみである。 以前は工場内に長いラインが4本あったが、2004年から生産のプロセス改革を進め、情物一体の生産管理を行うようになり、専用ラインをコンパクトにして10本に増設、1回で100台分投入するという従来の量産体制から、多品種に対応するようになった。そのために、使用部品の標準化を進め、モジュール単位で出図して、変更が来ると設計もモジュールで対応している。 業務用冷蔵庫の部品は、内製・外製の比率がほぼ半々。製造原価に占める割合は購入品が多いため、加工品の大半は板金部品となっている。 現在は3次元ソリッドCAD Pro/Eで設計を行い、設計で描かれた製品モデルが製造部門に開示されてデザインレビュー(DR)を行い、材料も、従来は板厚0.6mmだったものを0.4mmに変更して軽量化・コストダウンに対応している。 カンバン生産方式とJIT生産 ![]() 「営業から情報が入ってから生産までのリードタイムは1週間。生産指示が出て蔵入れまでが3日間。短納期を支えているのは『カンバン生産方式』で、ほとんどがカンバンを採用しています」と水谷部長。 「当然購入品などの組み込みも含めて、です。組立ラインで配膳の仕方は『水すまし方式』。仕掛品は台車に集められ、購入品なども数カ所に分けて保管しているのを適宜、組立工程へ届けるシステムで、現品票などもバーコード管理しています」「一昨年にIT構築が完了。製造現場で作業する社員1人ひとりが1台ずつ現場端末(PC)を持ち、工程の進捗情報を入手できます。『水すまし方式』の配膳係は携帯端末を持ち、次はどの工程にどの部品が必要かを見て、工程ごと、作業前に部品を供給できるようになっています」と澄川主務。... つづきは本誌2011年9月号でご購読下さい。 |