「見える設計」で変わる現場 3次元CAD活用最前線

「アセンブリ」で見える“手戻りの原因” ― 溶接・組立リスクを事前につぶす

H-ENG 代表 林 義人

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第2回では、簡単な板金部品を3次元CADでモデリングしました。寸法変更が一瞬で反映される、設計の意図がカタチとして残るメリットは、すでに感じていただけたのではないでしょうか。

しかし、3次元CADの「本当の価値」は、部品単体ではなく、部品を組み合わせたときに初めて現れます。

現場では、次のようなトラブルがよく発生します。

組み立ててみたら部品同士が当たる
溶接しようとしたらトーチが入らない
先に組んだ部品が邪魔になり、後の作業ができない
完成後に重心が偏り、不安定な姿勢になる

これらはすべて、設計段階では見えていなかった問題です。2次元図面では成立していても、実際の組立では成立しない ― このギャップを埋めるのが、3次元CADの「アセンブリ」という考え方です。

「アセンブリ」とは、2つ以上の部品の組み合わせをいいます。「合致」(拘束)という機能を使って、部品間の面や線をくっつけるルールを決めることで、部品の位置と表示方向を定義します。

図1は、2つ以上の部品で構成されたペン立て付きスマホスタンドアセンブリの例です。スタンド部品右面とペン立て部品左面の距離として20㎜を拘束しています。

2Dと3Dの決定的なちがい ― 「構造を持つか、持たないか」

ここで一度、2Dと3Dのちがいを整理しておきます。

2次元CADでは「部品図」「組立図」「部品構成表」が、それぞれ独立して存在しています。そのため設計者は、①バルーン番号を確認する、②部品構成表と照合する、③図面番号を読み取る、④該当図面をフォルダから探す ― という順序で、情報をつなぎ合わせています。つまり、人が頭の中で構造を組み立てている状態です。

一方、3次元CADでは「アセンブリ(組立)」と「部品」が明確に分かれています。さらに、それらは「ツリー構造」で管理されています。ツリーとは、「アセンブリ」(親)の中に「部品A」「部品B」「部品C」(子)がぶら下がっているような、階層で構成された一覧のことです(図2)

このツリーにより、「どの部品がどこに使われているかわかる」「部品同士の関係が一目で把握できる」といったことが可能になります。また、部品を直接操作することにより、図面を探す手間を大きく減らすことができます。

さらに3次元CADでは、「アセンブリから組立図を作成する」「部品から部品図を作成する」といった使い分けができ、ツリー構造が自動でリンクされ、アセンブリ画面から部品図面を直接開くことも可能です。2Dのように図面を探して開くのではなく、「ツリー構造からそのままアクセスできる」という点が大きなちがいです。

画像:「アセンブリ」で見える“手戻りの原因” ― 溶接・組立リスクを事前につぶす左:【図1】ペン立て付きスマホスタンドアセンブリの例/右:【図2】3次元CADのツリー構造

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