特集

ベンディングロボットによる曲げ加工の自動化・品質安定化

得意先の要望に応えるための一貫生産体制の強化と効率化を推進

量産品と簡単な曲げはロボットが担当 ― 作業者の負担と残業時間の削減を実現

株式会社 アオイ産業

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画像:得意先の要望に応えるための一貫生産体制の強化と効率化を推進2025年10月に導入した同社初のベンディングロボットシステムEGB-1303ARse+EGBROBOT -20E。量産品や簡単な曲げ製品の曲げ加工に注力している

板金・機械・製缶加工の一貫生産体制が強み

㈱アオイ産業はもともと製缶工場で架台製作をしていた雨澤智陽社長が得意先からの要望をきっかけに独立し、2003年に創業した。当初は従業員4名で製缶溶接のみを行っていたが、2005年にはベンディングマシンを導入し、製缶溶接の前工程の曲げ加工も手がけるようになった。

本格的に板金加工を始めたのは2016年頃。特に2017年の長尺パイプ・形鋼用レーザマシン導入をきっかけに架台製作を中心とした製缶・板金加工の仕事が急増。翌年2018年には2台目の長尺パイプ・形鋼用レーザマシン、2019年にはファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJを導入し、加工能力を強化。2020年には工場が手狭になったことから、現在地に新工場を竣工。2カ所あった工場を1カ所に集約、一部外注作業を内製化することに成功した。また、架台製作を得意としていたことから、架台を基本とする半導体製造装置の仕事が増加していった。

その後も継続的に設備投資を続け、2022年にファイバーレーザマシンREGIUS-3015AJ、2024年にベンディングマシンHG-2204、2025年10月に同社初のベンディングロボットシステムEGB-1303ARseを導入した。さらに、2025年度「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」に採択されたことから、2026年中には長尺パイプ・形鋼用レーザマシンのうち1台をファイバーレーザ仕様に、ファイバーレーザ複合マシンLC-C1AJをACIES-2515T-AJeに入れ替え、ファイバーレーザ溶接ロボットを導入する計画だ。

創業から23年で従業員数は12.5倍、売上は50倍に増加するなど、一貫生産体制を強みに急成長を続けている。

画像:得意先の要望に応えるための一貫生産体制の強化と効率化を推進左:㈱アオイ産業の本社工場。屋根には太陽光発電パネルが設置されており、工場で使用する電気のほとんどを賄うことができる/右:2022年に導入されたファイバーレーザマシンREGIUS-3015AJ(9kW)+AS-3015G

生産拡大と負担軽減のためEGB-ARseを導入

同社は得意先と密に情報をやり取りし、受注増加と利益拡大の見込みが立ってからそれに必要な環境を整える「需要先行型」の設備投資を行っている。そのため場合によっては機械よりも先に、仕事が来てしまうこともあるという。今回導入したEGB-1303ARseもまさにそのパターンだった。

雨澤社長は「設備に先駆けて仕事が始まってしまい、どうしても曲げが対応しきれない状況になりました。お客さまも転注を検討されたようですが、当社は架台製作を長期間継続取引してきた実績があり、工程にも精通しているため、適正な単価設定や不良が発生しやすいポイントについてのノウハウも蓄積されていました。お客さまとしてもすでに構築されている生産の流れを変えたくない思いがあったようで、何とか対応できないかと相談を受けました。ちょうどそのタイミングでEGB-ARseが納品されたため、なんとか納期に間に合わせることができました」と振り返る。

同社ではブランクマシン1台に対して曲げ担当者はほぼ1名と少人数の体制で運用している。補助要員が1名付くものの、1日1,000ショット以上をこなすベテラン作業者の加工スピードにはおよばない。そのため、ベテラン社員が休むと生産工程に滞留が発生するなどの問題が生じていた。さらに、ロットの大きい量産品の対応で曲げ担当者の残業増加や、作業負荷による腰痛などの課題も抱えていた。こうした課題の解消に加え、増加する受注に対応するためにもベンディングロボットの導入は急務となっていた。

また、ベンディングロボットの実務経験者が在籍していたことも大きな後押しとなった。EGB-ARseを担当する石橋則康さんはアマダ出身で、曲げ加工に関する造詣が深い。そのため、石橋さんであれば短期間でもマシンを使いこなすことができるだろうという信頼があった。検討の末、自動金型交換装置を備え、800×1,000㎜の比較的大きなワークにも対応できるEGB-ARseの導入を決断した。

  • 画像:得意先の要望に応えるための一貫生産体制の強化と効率化を推進曲げ加工用CAM VPSS 4ie BENDを操作する石橋則康さん
  • 画像:得意先の要望に応えるための一貫生産体制の強化と効率化を推進溶接済みの板金製品

画像(5):「メディアを追加」で画像を入れてください。ない場合はPタグごと削除。

会社情報

会社名
株式会社 アオイ産業
代表取締役
雨澤 智陽
所在地
神奈川県秦野市堀山下199-1
電話
0463-87-5546
設立
2003年
従業員数
50名
主要製品
機械装置部品、板金部品、製缶品、板金筐体など
URL
https://www.aoi-sangyo.jp/

つづきは本誌2026年4月号でご購読下さい。

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