研究室訪問

半導体レーザとホットワイヤを組み合わせた溶接技術の研究

広島大学大学院 先進理工学系科学研究科 機械工学プログラム 山本 元道 教授

LINEで送る
Pocket

画像:半導体レーザとホットワイヤを組み合わせた溶接技術の研究半導体レーザ加工装置について説明する広島大学・山本元道教授

狭開先溶接とモニタリング技術開発の研究

広島大学大学院 先進理工学系科学研究科 機械工学プログラム山本元道教授の研究テーマ「高出力半導体レーザとホットワイヤ法を用いた高性能材料狭開先溶接技術および機械学習によるモニタリング技術の開発」が、天田財団の2024年度「重点研究開発助成(課題研究)」にレーザプロセシング分野で採択された。

溶接研究に至った経緯

山本教授は、溶接研究に携わる前には造船や橋梁などの大型構造物の構造強度の分野での研究を行っていた。

「広島大学造船学科で学び、卒論と修士1年までは船舶、橋梁や建設機械などの厚板構造物の構造強度・振動を研究しました。修士2年のときに三菱重工業㈱技術本部の技師長を経て広島大学に着任された矢島浩教授から、溶接構造物の極低サイクル疲労強度評価に関する研究テーマをいただき、溶接に関わる研究がスタートしました。その後、矢島研究室の助手に採用され、本格的に溶接部の各種破壊強度(脆性破壊・疲労破壊・腐食疲労強度・延性破壊など)に関する研究に携わらせていただきました」。

「矢島教授の退職後は、大阪大学から着任された篠﨑賢二教授の下で本格的に溶接に関する研究を始めました。現在は工学部第一類(機械・輸送・材料・エネルギー系)で材料加工グループに所属しています」。

「私の研究室では、主に高出力レーザによる溶接・接合、積層造形、ナノ秒パルスレーザによる加工・クリーニング、アーク溶接に関する研究を行っています。今年4月には、主に短パルスレーザを用いた微細加工の研究をされている岡本康寛教授が広島大学に着任されたので、レーザ加工プロセスの分野でお互いに協力して拠点をつくろうと話し合っている最中です。将来のものづくり現場で実際に役立つ研究成果が創出できることを目指しています」(山本教授)。

山本教授の接合プロセス工学研究室には、2台の半導体レーザ(出力6kW)とホットワイヤ技術を組み合わせ、厚板と薄板の両方の溶接に取り組んでいる。また、4kWレーザ発振器を搭載した金属3Dプリンタを導入し、レーザ照射部分に金属ワイヤを直接供給して積層造形する「ワイヤ・レーザDED方式」によるアディティブ・マニュファクチャリング(AM)の研究も行っている。1kWのナノ秒パルスレーザと共同ロボットを組み合わせた大型溶接構造物対応のレーザブラストシステムの開発なども手がけている。

画像:半導体レーザとホットワイヤを組み合わせた溶接技術の研究左:半導体レーザ加工装置によるニッケル材への溶接実験/右:肉盛り溶接されたニッケル材

つづきは本誌2026年3月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

研究室訪問記事一覧はこちらから