パンチ・レーザ複合マシン最新活用事例
複合マシン2台体制を構築したアーバン工場
ACIES+マニプレーター+金型ストレージで稼働率改善を目指す
株式会社 山星製作所
デジタル化を追求したアーバン工場
神奈川県横浜市で精密板金加工を手がける㈱山星(やまぼし)製作所。1961年に真野金次氏が東京都大田区で創業して以来50年余の歴史をもち、主力製品は情報機器・電子機器・測定機器・分析機器などのカバー・機構部品。定期的に受注する得意先は17~18社で、このうち主要得意先4社からの売上が全体の90%ちかくを占める。
1986年に現住所に移転。工場の延べ床面積は530㎡、従業員数は18人と企業規模は小さいが、2代目社長の真野謙太郎氏は「規模は小さくてもキラリと光る会社にしたい」と語り、穏やかな口ぶりの中にも力強さを感じさせる。
1995年に板金加工ネットワークASIS100PCLを導入したのを皮切りに、その後はパンチ・レーザ複合マシンAPELIOⅢ-258V、パンチングマシンEM-258NT(マニプレーター付き)、工程統合マシンLC-1212C1NT、ACサーボ・ベンディングマシンFMB-NT 5台と、ネットワーク対応型マシンを中心に加工設備を強化してきた。マシンだけでなく、3次元ソリッド板金CAD SheetWorks、2次CAD/CAM AP100、曲げ加工データ作成全自動CAM Dr.ABE_Bend、生産管理システムWILLといったソフトウエアの面でも充実を図り、20年かけて工場のデジタル化に取り組んできた。
全周面取りと多品種少量生産への対応が課題
同社の決算月は12月。昨年初頭―期が変わったばかりの2014年1~2月は、過去最高の月次売上を更新した。真野社長は「下手をすると4月の消費増税後は20~30%落ち込みかねない」と懸念していたが、ふたを開けてみると10%程度の減少ですんだ。最終的に2014年12月期は前期比10%超の増収で、過去最高売上を達成した。
真野社長は「2014年2月末の時点で、ACIESとR面取り仕上げマシンAuDeBuの導入を考え始めました」と振り返る。同社で加工するのはボンデ鋼板を含む鉄系の材料が60~70%。残り30~40%はステンレスとアルミがおよそ半々で、板厚は0.8~3.2 ㎜が中心。リピート率は80%程度と高いが、ちょうど得意先からの品質面での要求と多品種少量生産の傾向が一段と強まり、製造上の課題が顕在化してきた時期だった。
AuDeBu導入の経緯について、真野社長は「お客さまから、エンドユーザーが手で触る可能性がある箇所すべてについて、全周R0.2~0.3 ㎜またはC面取りをするよう要望を受けました。コストダウンの要求も高い中、300~400点の製品の全周にベルトサンダーをかけ、カエリバリが発生すればそれもまた仕上げる―これでは工数ばかりかかって採算が悪化し、納期も間に合わなくなります。頭を悩ませていたとき、アマダにAuDeBuを紹介してもらい、テスト加工をしてみたところ、要求品質を満たしながら所要時間は1/3から1/5、製品によっては1/10くらいにおさえられることがわかり、導入を決めました」と語っている。
会社概要
- 会社名
- 株式会社 山星製作所
- 代表取締役
- 真野 謙太郎
- 住所
- 神奈川県横浜市都筑区川和町186-7
- 電話
- 045-932-8661
- 設立
- 1964年(1961年創業)
- 従業員
- 18名
- 業務内容
- 業務用情報機器、電子応用機器、測定機器、医療・分析機器などの精密板金加工
つづきは本誌2015年5月号でご購読下さい。
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