特集

ランニングコストを大幅削減するファイバーレーザ

IT経営により工場と経営の“見える化”を実践

ファイバーレーザマシンが想定以上の効果を発揮

株式会社 鐘川(かねがわ)製作所

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画像:IT経営により工場と経営の“見える化”を実践ファイバーレーザマシンFLC-3015AJ+AS-3015F1。「想定以上の効果が出ている」(鐘川社長)として、今後はすべてのレーザマシンをファイバーに切り替える方向で検討している

「金属加工」「建築工事」「水産機械」の3事業を展開

㈱鐘川製作所は、現社長の祖父にあたる鐘川金次郎氏が1914年(大正3年)に福岡市内で「鐘川鉄工所」を個人創業し、昨年100周年を迎えた九州屈指の老舗板金企業。多品種少量生産に対応した精密板金加工を行う「金属加工事業部」を中心に、建築分野における金属工事の設計・製作・施工管理までを一貫して請け負う「建築工事事業部」、魚類の特徴や使用される環境に合わせた養殖用機械の製造・メンテナンスを行う「水産機械事業部」の3つの事業を展開している。

中核事業である「金属加工事業部」の主力製品は、時代の変遷にともなって大きく変化してきた。今では九州一円に100社あまりの得意先を抱え、得意先分野は建築関連、農業機械、医療機器、情報通信、半導体製造装置、鉄道車両、環境機器、産業機械など多岐にわたっている。1社あたりの依存度が15%以上にならないことを目標とし、福岡県内の得意先とは直接取引、県外の得意先は信用調査を含む顧客管理が困難なことから商社を通して取引することを原則とすることでリスクを分散している。

画像:IT経営により工場と経営の“見える化”を実践代表取締役社長の鐘川喜久治氏

IT経営により“工場の見える化”を実践

同社の大きな特徴のひとつが、1995年から手がけてきたIT経営の取り組み。この取り組みが評価され、2009年には「九州IT経営力大賞」を受賞している。

代表取締役社長の鐘川喜久治氏は「それまで当社はオフコンで工程管理を行っていましたが、原価管理はできていませんでした。当時専務だった私は資金繰りを担当していましたが、みんなが一生懸命、汗水流して夜中まで働いているのに、利益率は1%を切っていました。これはおかしいと考え、社員の手書きの日報を自宅に持ち帰り、家内と手分けして3カ月かけて精査したところ、売上金額トップ5社の仕事は、ほとんど利益が出ていないことがわかりました。これを機に、その後15年かけてIT管理による“工場の見える化”に取り組んできました」と語る。

第1次IT化計画では、工場内にLANを構築し、各製造工程にタッチパネル対応の小型ノートパソコンを設置、売上・工程の管理を従来のオフコンからWindowsベースのクライアント/サーバー型システムへと移行した。第2次計画では、原価・売上・生産管理の各ソフトを連携させ、原価管理システムを構築し、担当者ごとの生産性、案件ごと、得意先ごとの原価と利益率をタイムリーに把握できるようになった。第3次計画では、イントラネットを構築し、営業情報や総務・業務の管理をすべてデジタル化、社長・役員・営業の行動予定や情報の共有化ができ、総務からの業務連絡も大幅に改善した。

画像:IT経営により工場と経営の“見える化”を実践左:現場の休憩所。ホワイトボードには、社長・経営幹部・会社組織を社員が評価する「経営チェックシート」の集計結果と、社員から寄せられたコメントが開示されている/右:加工現場には社員全員の「力量マップ」が掲示されている。力量マップには「一般能力」「多技能能力」「正確性」「スピード性」と専従業務の能力とがレーダーチャートで表現されている

つづきは本誌2015年4月号でご購読下さい。

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