Interview

新鋭設備導入で増産対応

設計提案力とエンジニアリング能力も備えたい

株式会社 タニテクニカル 代表取締役 谷口 啓(あきら)さん

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画像:新鋭設備導入で増産対応工作機械用の制御盤筐体

今年で62歳となる創業者、谷口啓社長はベビーブーム最後の世代。1990年に独立してから苦節10年、2000年1月に㈲タニテクニカルを設立したが、その直後に東海豪雨で工場が浸水。設備や書類が水に浸かったが、わずか3週間で復旧し、その後は空洞化が見込まれる自動車関連から住宅用建材の分野へとシフト、今日の事業基盤を築いた。現在、子息の谷口武専務が中心となって営業開拓に力を注ぎ、工作機械の制御盤、ホームドア、鉄道車両の回生電力貯蔵装置、自動車部品の洗浄装置などのボックス、カバー、ケースなどを手がける。2010年には東名高速・豊田ICに近い高台に念願の自社工場を竣工した。現在は隣接地1,200坪の敷地に700坪の第2工場の建設を計画中で、今年7月に着工、年末までには竣工する予定。「クラス1,000」に対応する330坪のクリーンルームを併設し、パンチ・レーザ複合マシンACIESと連動するパネルベンディングラインを導入し“Blank to Bend”(B2B)の自動化を行う。新工場建設の狙いや事業継承問題、業界動向について谷口社長に聞いた。

―今年は、かねてより購入してあった隣接地1,200坪の敷地に700坪の新工場を建設するということですが、新工場建設の狙いは何ですか。

谷口啓(以下、姓のみ) ずばり、増産対応です。現在はブランク工程にパンチ・レーザ複合マシンが5台、曲げ工程に10台のネットワーク対応型ベンディングマシンがあります。設計・プログラムは3次元ソリッド板金CAD SheetWorks 1台、2次元CAD/CAM AP100 6台で対応しています。EM 1台を除いて自動化されており、長時間稼働に対応できます。

画像:新鋭設備導入で増産対応代表取締役 谷口啓(あきら)さん

―それだけ受注が好調ということでしょうか。

谷口 受注はおかげさまで順調です。大手住宅メーカーのお客さまからの仕事は安定しており、売上の20~30%を占めています。最近は、回生電力貯蔵装置や洗浄装置、ホームドアなどに関連した仕事が増えています。特に回生電力貯蔵装置は、鉄道のスマートグリッド化に対応する機器として国内のみならず、海外へも普及し始めており、仕事量が増えています。長さ11m、奥行7m、高さ3mほどの筐体構造で、そのままでは12mのトレーラーに載せきれないので、分割構造で製造します。ホームドアは、関西方面の鉄道事業者のお客さま向けに納めたばかりです。表面がヘアライン仕上げなので、キズ対策に苦労しました。お客さまは外観品質もさることながら、コストアップになってはいけないと考えられ、新規に受注した案件ではヘアライン仕上げはなくなりました。首都圏では2020年の東京五輪開催までに鉄道駅のバリアフリー化を進めるのと並行して、ホームドア設置を進めるということで、既存のメーカーに加え、大手重工メーカーが参入するなど激戦模様。当社も既存のお客さまを含め、ホームドア市場への営業を強化しています。

―大型案件の受注が目白押しですね。

谷口 洗浄装置に関してはトヨタ系列の部品メーカーのお客さまが4月完成を目処に愛知県内の工場を増設中で、この工場に導入される洗浄装置用の板金部品の仕事が忙しくなっています。従来から受注している工作機械用制御盤も好調です。お客さまが中国向けの大型商談を受注し、月産台数も3ケタになり、大変です。工作機械も年内いっぱいは繁忙が続くといわれています。当社はジョブショップとして、どこのお客さまからの仕事にも対応してきましたが、これからは業種・得意先を絞り込みたいと考えており、そのためにも大型受注に対応できる設備力が課題と考えています。

画像:新鋭設備導入で増産対応パンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+ASR-510M

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