板金論壇

板金業界にとって重要なイベントとなった「優秀板金製品技能フェア」

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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上位賞は「常連企業」と「新規企業」で二分

今号では「第34回優秀板金製品技能フェア」(以下、板金フェア)で厚生労働大臣賞、経済産業大臣賞をはじめとする上位賞を受賞した6社の企業を紹介しています。

6社は、20年ほど前から板金フェアに応募して上位賞を何度も受賞した経験を持つ「常連企業」が3社、今回が初めてもしくは3度目という応募回数の少ない「新規企業」が3社と大きく二分されました。

キャリア形成に作品づくりを組み入れる

常連のお客さま3社は、板金フェアへの参加が会社の年間行事に組み込まれており、人材育成や社員のキャリア形成に必須の課題として位置づけていました。

この3社には工場板金技能士の特級・1級・2級、溶接技能者などの有資格者が多数在籍しています。これから資格取得にチャレンジしようという意欲的な社員もたくさんおられました。当然、経営者も熱心にサポートされていました

ある企業の経営者は「技能士などの資格を有する社員の数、会社として取得しているJISやISOなどの認証をホームページに開示することで、当社の技術力・品質管理能力の高さをアピール。お客さまの安心・信頼につなげることを考えています」と話していました。

また、常連企業の多くは作品の製作担当者をその都度選任しており、選ばれた担当者が同僚の力も借りながら作品づくりを行っていました。中でもそのうちの1社では、白羽の矢が立ったリーダーが全社員に向けてプレゼンを行い、その内容に共鳴して手を挙げた社員がチームメイトとして参加する仕組みを採り入れていました。

白羽の矢が立ったリーダーは、過去の受賞作品を調べ、自社が得意とする技術を整理し、その技術を生かせる作品を構想し、プレゼンを行います。その企画に「力になれそう」「おもしろそう」と集まったメンバーは、通常の業務で関わるメンバーとは異なる仲間ですが、目的をひとつにしてワイガヤを繰り返し、作品のコンセプトをシェイプアップして、構想をカタチにしていきます。それぞれの専門分野で作品づくりに協力することでチームの絆が育まれ、ほかのメンバーの仕事に対する理解が自然と深まります。

リーダーには、メンバーの意見をまとめ上げ、作品に落とし込むマネジメントの能力が求められるので、管理職への登竜門として考えている企業もあります。

つづきは本誌2022年5月号でご購読下さい。

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