特集

モノづくりは楽しい ― 第28回優秀板金製品技能フェア受賞製品

「Pyramid」が「厚生労働大臣賞」受賞

勤続22年のベテランと入社4年目の後輩社員がコラボで結実

プレコ技研工業 株式会社

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画像:「Pyramid」が「厚生労働大臣賞」受賞第28回優秀板金製品技能フェアで「厚生労働大臣賞」を受賞した「Pyramid」

ベテラン社員と後輩社員のコラボで結実

プレコ技研工業㈱は、鯛網漁で有名な瀬戸内海、鞆(とも)の浦の近くに造成された「福山テクノ工業団地」内にある。優秀板金製品技能フェアには毎回応募し、前回の第27回(2014年度)では「単体品の部」に応募した「一筆一発勝負の板金」が金賞を受賞している。今回の第28回(2015年度)では「単体品の部」にSUS304・板厚1.0㎜の材料から切り出した1枚のブランク材から、220工程の曲げ加工を行い、加工精度±0.5㎜の精度で製作した「Pyramid(ピラミッド)」が「厚生労働大臣賞」を受賞した。

取材を始めると、小林眞一社長は開口一番「今回は勤続22年、40歳の板金課・圓光(えんこう)則昭課長が3次元CADで作成したモデルをもとに、入社4年目、22歳の小田原史明君が曲げ加工を行って製作した製品が受賞しました。1枚の板から複雑な曲げ加工だけで製品をつくることで、私からみると2世代若い小田原君にもモノづくりの楽しさや感動が受け継がれていることを実感しました。これまでも同フェアに応募して金賞や技能賞など数々の賞をいただいてきましたが、そういった意味で、今回の受賞は特別にうれしかった」と笑顔で語ってくれた。

  • 画像:「Pyramid」が「厚生労働大臣賞」受賞「Pyramid」のブランク材
  • 画像:「Pyramid」が「厚生労働大臣賞」受賞3次元CADでモデルを作成した圓光則昭課長(右)と、220工程の曲げ加工を行った小田原史明さん(左)

「板金業」から「モノづくり業」へ

同社は1970年にプレス加工を行う㈲福山プレス工作所として設立し、現在ではプレス加工から精密板金、精密製缶加工まで、幅広い設備と技術力で試作から量産までの加工に対応している。

「目まぐるしいスピードで変化する社会においては、板金加工だけでは仕事が立ち行かなくなるという気がします。我々も『板金業』にとどまることなく『モノづくり業』『製造業』へと脱皮しないといけないと思います。当社はプレス加工業としてスタートしました。そして環境の激しい変化に対応するため、最新設備を積極的に導入し、技術力の向上・人材の育成に注力してきました」。

「1984年、CO2レーザマシンやパンチングマシンを導入して精密板金加工に取り組んだ当初、私に何かとアドバイスしてくださった方から『小林さんはプレスから板金に移ってきたので、金型やそれを使った絞りの技術をよく理解している。たたき板金から入ってきた方々が多い板金業界では、金型や絞りの技術は十分に浸透していない。小林さんの差別化技術として生きるだろう』と励ましていただきました」。

「2008年のリーマンショック直後、当社はその影響をほとんど受けず、新工場を増設しました。新工場は自然光を取り入れるなど、省エネに考慮した最新工場にしました。この新工場を含め、これまで培ってきた技術力と人材、幅広い設備により『プレコ技研に相談すれば何とかしてくれる』というお客さまの期待に応えてきました」。

画像:「Pyramid」が「厚生労働大臣賞」受賞
左:「Pyramid」の3次元モデル(奥)と展開図(手前)を操作する圓光課長/右:「Pyramid」の3次元モデル

画像:「Pyramid」が「厚生労働大臣賞」受賞HD-8025NTのNC端末に入力し、曲げ加工を行う小田原さん

会社情報

会社名
プレコ技研工業 株式会社
代表取締役
小林 眞一
住所
広島県福山市箕島町6280-15
福山テクノ工業団地内
電話
084-920-3320
設立
1970年
従業員数
25名
主要事業
精密板金加工、精密機械加工
URL
http://www.pleco.co.jp/

つづきは本誌2016年5月号でご購読下さい。

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