特集 外需を取り込みグローバル化する台湾板金業界
レーザジョブショップから板金加工へ ![]() 林総経理や林副総経理の父親が勤務先で板金関係の仕事をしていたが1989年に独立、レーザマシンを導入してジョブショップを始めた。仕事は順調に推移し1999年、現社名に変更した。2000年に日本製の24時間連続加工するレーザマシンを導入し、アマダからはベンディングマシンRG-50を導入、「切って、曲げる」仕事に専念するようになった。 2003年には、台湾の板金業界で1号機となるアマダのパンチングマシンEM-2510NTを導入した。アマダマシンを選択した理由を聞くと「今まで、日本のいろいろなメーカーのマシンを導入してきましたが、マシンの品質とアフターサービスが一番優れていたのはアマダでした。高精度で効率の良いマシンを導入することで、従来からの『切って、曲げる』だけの仕事を変えていきたいという希望もありました」と、ジョブショップからさらに付加価値の高い仕事を志向し、一歩を踏み出した。 2010年にはISO9001:2008を取得、国内外に最高品質の製品を届けるインフラが整った。 2011年に新工場完成「デジタル・アンドン」と工程統合 ![]() 一歩中へ入ると、工場内は整理・整頓・清潔・清掃が行き届いていた。社員たちは挨拶はもちろん服装も清潔で、礼儀正しい。工場床もきれいに磨かれ、機械設備・作業エリア・通路をしっかりと区別するように床が色分けされ、立ち入り禁止を示す白線がしっかりと描かれている。5Sを徹底することで、床にはスクラップやゴミがひとつもない。 そして驚くことには、バーコード付きの作業指示書は目に入るが、紙図面はほとんど見られない。その代わり、作業台の上や横には携帯端末であるiPadやiPad miniが置かれ、作業者は必要に応じてその端末からPDF化された製品図面を呼び出して確認しながら、作業を進めている。 また、曲げやタップなどの2次加工を行うエリアの柱の上には製番別に工程進捗情報を確認できる「デジタル・アンドン」の大型モニタが設置され、生産情報の可視化が図られている。作業者は手もとの端末で製品形状を確認し、その製品の進捗情報を「デジタル・アンドン」で見ることができる。同社はこのシステムを2012年に導入した。 さらに、製品をモデル化するためにアマダの3次元ソリッド板金CAD SheetWorksを2011年に導入。加工現場には、得意先の厳しいQ,C,D要求に対応するため、工程統合マシンLC-2012C1NT+PR(パーツリムーバー)を一気に2台導入し、稼働率改善と加工品質の向上を目指した。 林副総経理は「以前から生産情報の“見える化”にチャレンジすることを考えてきました。製品図面の確認作業などは、安く手に入るようになったiPadなどの携帯端末を活用することで、いちいち図面を探してきて照合するムダな時間をなくそうと考えました。また、生産管理情報も今自分が着手している仕事の後工程はどこになるのか、また、その作業者が今日中に着手しなければならない仕事が今、どの工程にあるのか――といった進捗情報の確認なども、このデジタル・アンドンを使ってできるようになりました」と語る。 そしてC1の導入に関しては「アマダさんから提案があり、当社の多品種少量生産、短納期生産、高精度加工という要求にうまく合致しました。ワンクランプで穴あけと外周切断、成形、タップ加工ができるので、それまでのように複数のマシンや工程を渡り歩くことがない。しかも、PRがジョイントレス加工された製品をアンローディングステーションまで搬出するので、これまでのようにミクロジョイントバラシや製品の仕分け、パレタイジング作業がほとんどなくなりました。その結果、C1×2台とパンチングマシンEMの計3台を2名の作業者で対応することができ、省人化にも役立ちました。現在は2台のC1で受注する製品の80%を加工しています。多くの機械メーカーが様々な提案をしてくれましたが、大半の提案は単工程の合理化――部分最適であり、工程を統合したり、工程全体の最適化を考えた提案はありませんでした。アマダさんからの提案に迷うことはありませんでした」(林副総経理)。 導入効果は計画どおりで、生産性が向上し、効率も上がり、リードタイムの短縮や工程間の仕掛りがなくなるなど、多くのムダがなくなった。2012年の売上は約2倍に膨れ上がった。... つづきは本誌2013年11月号でご購読下さい。 |