〜Sheetmetal World〜
経済モデルの"モデルチェンジ""アップグレード"を目指す中国 ![]() 北京へ向かう直前の4月15日、中国国務院は2013年1-3月期のGDP成長率を発表した。習近平体制になって最初の発表だけに注目されたが、物価変動を除いた実質GDP成長率は前年同期比7.7%で、4期連続の8%割れとなった。中国政府は、鉄道などの公共投資を上積みすることで景気回復を目指しているものの、実体経済は足踏み状態が続いている――というのがマクロ経済の景況感だった。 北京では4月22日から始まった「中国国際工作機械展覧会」(CIMT 2013)の取材が中心だった。ここで、主催者の中国机床工具協会の常任副理事長である 輸出主導の「世界の工場」――格差是正が大きな課題に ![]() 内陸からは「民工」と呼ばれる農村籍の出稼ぎ労働者が仕事を求めて沿岸地域に移動してきた。しかし、「民工」の待遇を巡って様々な社会問題が発生し、社会不安の基になっていった。そのため、中央政府は南北格差を是正するため、公共投資を内陸地域の発展に使う「西部大開発計画」をスタートした。さらに、北京と地方の中核都市を結ぶ高速鉄道、高速道路網の整備、そして製造の源である電力を安定的に確保するため「西電東送」などの計画などがスタートすることになった。 こうした公共投資が地方政府と一体で行われることで、内陸部でも産業が活発化していった。人件費が高騰し、バブル経済に突入し始めていた沿岸部を避け、外資を中心とする多くの企業が内陸部に積極的な投資を行うようになっていった。これにより、これまで出稼ぎに頼っていた内陸地域の労働者にも、地元で働けるチャンスが巡ってきた。... つづきは本誌2013年7月号でご購読下さい。 |