〜Sheetmetal World〜
世界的に“希少化”が進む食糧 世界では、食糧の“希少化”が進んでいる。 今年は、トウモロコシや大豆といった穀物の世界生産量の30〜40% を生産する米国中西部が干ばつ被害に見舞われ、収穫量の大幅な減少が予想される。米国以外でも、ロシアやウクライナなどの東欧が高温・乾燥の被害に遭い、小麦の収穫量の減少が見込まれる。このことにより、オイルマネーなどの投機マネーが穀物相場に流れ込み、世界の穀物相場が高騰している。 中・長期的にみても、世界的な人口増加に加え、新興国も経済発展により食生活が改善したことで、食糧の需給構造が大きく変化しようとしている。 このように世界的規模で食糧の“希少化”が進む中で、約12億人という世界第2位の人口をもつインドでは、食糧の安定生産と自給体制の構築を目指し、農業の機械化を加速させている。 「緑の革命」で大量増産を実現したインド ![]() インディラ=ガンディーが政権を掌握していた時期(1966-77、1980-84年)は、大きな天候異変がなかったこともあって、コメ・小麦は増産を続け、インド全土が食糧不足に陥ることはなかった。そして、1990年代には余剰穀物を輸出するまでになった。 しかし今でもインドの農産業は、モンスーン(雨季)に大きく依存した「天水農業」。国内需要が逼迫すると穀物を大量輸入し、コメ・小麦などの輸出禁止措置や関税削減・撤廃を実施するなど、安定的な自給体制は確立できていない。... つづきは本誌2012年12月号でご購読下さい。 |