変種変量生産に対応し、市場を拡大する複合マシン

複合マシンを導入した全国初の公共職業訓練機関
企業ニーズと生徒の資質にマッチしたヒトづくり

群馬県立高崎産業技術専門校



中・厚板から薄板まで対応した「メタル技術科」へ
「当校の役割は、第1に即戦力となる優秀な技能者を育成し、県内の産業に貢献すること」と語る吉田喜久雄校長「当校の役割は、第1に即戦力となる優秀な技能者を育成し、県内の産業に貢献すること」と語る吉田喜久雄校長
「2008年度から予算要求を始めて、2011年度にとうとう複合マシンを導入することができました」と吉田喜久雄校長は語っている。
群馬県立高崎産業技術専門校は、前橋・高崎・太田の3カ所にある県立の職業能力開発施設のひとつ。
「メタル技術科」「機械技術科」「塗装システム科」「エクステリア科」「自動車整備科」「インテリア木工科」の6科があり、各科とも毎年20名の学生を定員として受け入れている。
在籍生徒数は2年制の「メタル技術科」と「機械技術科」が各40名の80名、1年制の「塗装システム科」「エクステリア科」「自動車整備科」「インテリア木工科」が各20名の80名─計160名となっている。
今回、取材した「メタル技術科」は、昨年度まで「溶接技術科」という名称で、厚板の溶接技能に重点を置き、国家資格である技能検定(構造物鉄工)2級の取得を目指して、製缶作業、構造物鉄工作業、曲げ成形・矯正作業、構造物現図作業などの訓練を行ってきた。
それが今年度からは「メタル技術科」としてリニューアル。昨年12月には公共の職業訓練機関としては初めての複合マシンとなるアマダの工程統合マシンLC-1212C1NTを導入した。それと同時に2次元CAD/CAM AP100を14台導入し、これまで製缶・鉄工に特化した中・厚板中心のカリキュラムに、「精密板金実習」「CAD/CAM実習」といったカリキュラムを新設。薄板加工技術とCAD/CAM技能の育成にも力を入れるようになった。

産業界の求める人材像に対応
AP100×14台による「CAD/CAM実習」の様子。これまで製缶・鉄工に特化した中・厚板中心のカリキュラムに「精密板金実習」「CAD/CAM実習」といったカリキュラムを新設したAP100×14台による「CAD/CAM実習」の様子。これまで製缶・鉄工に特化した中・厚板中心のカリキュラムに「精密板金実習」「CAD/CAM実習」といったカリキュラムを新設した
「当校の役割は、第1に即戦力となる優秀な技能者を育成し、群馬県内の産業に貢献すること。第2に、在職者の技能向上や、離転職者への技能訓練による再就職支援を行うセーフティネットとしての役割があります」と吉田校長は語る。
群馬県には太田・前橋・高崎・伊勢崎といった産業集積地があり、こうした地場産業を下支えする優秀な技能者の輩出は同校にとって最大の使命。したがって、産業界の求める人材像のリサーチにも怠りはない。こうした綿密なリサーチの結果が、C1とAP100×14台を導入するに至った最大の根拠となった。...

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