デザインカバーの需要が拡大する工作機械業界
2012年の工作機械出荷額は 1兆3,000億円前後一般社団法人日本工作機械工業会(以下、日工会)が発表している工作機械の受注金額推移(グラフ)によると、2007年に過去最高の1兆5,900億円を達成したものの、2008年のリーマンショックの影響から2009年は5,000億円を割り込み、ピークと比較して70%工作機械受注金額の推移/一般社団法人日本工作機械工業会作機械産業のグローバル化で板金カバーの30〜40%は海外調達へデザインカバーのニーズが高まるアマダの切削・工作機械事業拠点である土岐事業所の製造工場内部/アマダ提供写真近い落ち込みとなった。その後、中国をはじめとした新興諸国の経済活動が活発化したことで、外需を中心に受注が急激に回復。2011年には1兆3,262億円まで回復した。 2012年4月までの月次の受注金額推移を見ると、2011年12月に1,000億円を割り込んだ以外は、5月まで1,000億円台を保っており、このペースが続けば2012年の受注金額は、前年並みの1兆2,000億円から1兆3,000億円が期待できそうだ。 工作機械に対する投資意欲を 損ねかねない経済状況 ![]() しかも、今年10月に第18回共産党大会を迎える中国では、昨年後半から過剰流動性による不動産バブルを抑制するため、金融引締めが行われ、物価上昇率などが低下。インフレ懸念は薄れたが、資金繰りが急激に悪化し、民間の設備投資は低調となっている。 加えて、「西部大開発」などの大型プロジェクトに牽引され、莫大な公共投資によって鉄道をはじめとする社会インフラ整備を進めてきたが、スピードを重視するがあまり品質がともなってこなかった。昨年7月に発生した温州市の高速鉄道事故では、安全がなおざりにされてきた実態が露呈された。... つづきは本誌2012年7月号でご購読下さい。 |