〜拡大が続く中国のアミューズメント市場〜

中国・広州市は20年で世界最大のゲーム機生産基地へ
年内には中国国内のゲームセンター数が3万軒に



日本では1977年がゲーム機元年
中国・上海の大規模アミューズメント施設、新世界世嘉遊芸競技場(セガ・PLAYER'S ARENA)中国・上海の大規模アミューズメント施設、新世界世嘉遊芸競技場(セガ・PLAYER'S ARENA)
コンピュータゲームを動作させるためのハードウエア機器であるゲーム機は主に、業務用ゲーム機(アーケード)、家庭用ゲーム機(コンシューマー)、携帯型ゲーム機(ポータブル)に大別される。
日本のゲーム機市場は1977年にテーブル型のブロック崩しゲーム、1978年にはスペースインベーダーゲームが開発され、ビデオゲームが空前のブームとなった。これを機に、ゲーム喫茶や中小規模のゲームセンターが続々と誕生し、業務用ゲーム市場が拡大。ゲームソフトの開発競争に拍車がかかった。ビデオゲームが人気を博し、ゲームセンターの主力商品となっていった。
ところが、インベーダーゲームの急激な衰退で市場は一時期停滞。その後、1980年代に入るとエレクトロニクス技術のめざましい発展と市場ニーズの拡大により、様々なジャンルのゲーム機が登場し始めた。また、テレビゲームなどの家庭用ゲーム機の普及により、業務用ゲーム機は体感機能が付くなど大型化が進んだ。
ピーク時には全国に4万軒を超えるゲームセンターがあったといわれているが、1985年の「風営適正化法」(改正風営法)の施行で営業が許認可制となり、店舗数減少の大きな要因となった。繁華街への出店にブレーキがかかり、小規模のゲームセンターが次々と姿を消す一方で、大手アミューズメント企業直営の大型ゲームセンターが登場し始めた。大型化したゲームセンターは、青少年の健全育成に配慮して環境を整え、市民権を得て、ゲームが社会生活に定着するようになった。

日本のゲームセンターの店舗数は8,500軒前後
図表4 中国のゲーム機市場規模推移(2010 年以降は予測)/ JETRO図表3 中国のゲーム機の生産量推移(2010 年以降は予測)/ JETRO
警察白書(警察庁)によると、2007年現在のゲームセンター数は8,652軒で、2001年の2万3,493軒と比較すると、約63%減と大きく落ち込んでいる。しかしながら、業界の努力により、ゲームセンターは繁華街はもとより、郊外の駐車場付きショッピングセンター、モールなどの大型商業施設内にも次々と進出。中には幅広い集客に成功したミニテーマパークも誕生した。
ところが家庭用・携帯用ゲーム機の高性能化、さらには携帯用ゲーム機の通信対戦機能の充実によって、ゲームセンターで体験できる業務用ゲーム機に近い内容が家庭用でも実現。ゲームセンターではシステム、筐体の大型化やネットワークの高度利用といった、業務用でしか体験できないスケールのゲーム機に対するニーズが高まっていった。...

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