連載「ユーザーが語るデジタル―最終回」
![]() 業況の変化―受注範囲が拡大 発注元の発注スタイルにも変化が見られている。パーツ単位での単品発注から、サブアッシーやユニット単位での発注へとシフトし、サプライヤーが設計から手がけるケースもますます増加している。そうすることでパーツ単位の横持ちを減らし、発注側の調達工数を削減するとともに、サプライヤー側がまとまった単位をコントロールすることでコストダウンや納期削減のメリットも生まれる。 単品からサブアッシーへとシフト ![]() 「以前はパーツ単位で発注され、それを集めて発注元の社内で組立をやっていたが、横持ち工数を削減するためにサブアッシーで発注されるケースが増えてきた」((株)ワカイ産業・愛知)。 「最近ではセット発注を希望する得意先が増えている」((株)燒リ製作所・京都)。 「(現在はまだ)パーツ受注が多いが、最近はサブアッシーやユニットでの納入が求められ、溶接・組立や仕上げ工程を増強している」((株)ヤマイチ・静岡)。 「サブアッシーを伴うユニットの生産は順調に拡大している」((株)池田機工・新潟)。 設計込みで一括発注するケースが増加 ![]() 「数年前から3次元CAD設計が一般的になり、3次元設計された3次元製品モデルでの発注が増え」、「最近では製品のアセンブリーモデルを受け取って、そこから当社で製作する板金ユニットを抽出してベースや周辺装置との組立性を考えながら設計を立ち上げていく依頼も増えてきた」((株)関東精工・静岡)。 「シリーズ化された機種でも形状が変わり、設計変更が頻発するので、リードタイム短縮のため、メーカーから『設計込みで』と要望が出されるようになった」((株)石川工業所・静岡)。これは、「発注元がコンカレント設計を目的にミッドレンジ3次元CAD SolidWorksを導入」したためであり、「主要取引先にも同ソフトウエアの導入を要請している」(同)。... つづきは本誌2011年3月号でご購読下さい。 |