〜躍進するアジア─シンガポール〜
東京都区内とほぼ同じ国土に500万人が暮らす国 ![]() 民族構成は、中国系(74.2%)、マレー系(13.4%)、インド系(9.1%)、その他(3.2%)で、中国系が他を圧倒している。華僑とも言われる中国系住民は、ASEANはもとよりオセアニア諸国やインド、中国との結びつきが強く、同国は経済的にASEAN域内でもっとも発展している。特に株式や為替取引では急速にシェアを拡大し、世界の金融経済の中核として発展してきている。 高い経済成長を持続 ![]() 2010年第4四半期(10-12月)の成長率は前年同期比12.5%増。シンガポール政府は、2011年の成長率は4〜6%に減速するとの見通しを示しているが、持続的な成長が見込まれそうだ。 製造業のインテリジェント化を進める こうした中、シンガポール政府が力を入れているのが、GDPの25%を占める製造業のインテリジェント化だ。 リー・シェンロン首相は、研究・開発(R&D)振興のため、2015年までの5年間で161億シンガポールドル (約1兆143億円※1、以下Sドル)を投じると発表し、R&Dの国家戦略を審議する官民合同の「研究・革新・ 企業評議会(RIEC)」もこれを了承した。政府は国内経済構造を知的集約型へと転換させる推進役のひとつと して、R&Dの役割を重視している。 161億Sドルの大半は、審査のうえ、同国経済や社会に貢献が見込まれるプロジェクトに提供される。このうち、10億Sドルはエネルギーの確保、再生可能エネルギー、都市システムなど、国家的な課題に取り組む研究イニシアティブ「National Innovation Challenge」に割り当てられる見通しだ。... つづきは本誌2011年3月号でご購読下さい。 |