〜世界で加速する鉄道インフラの整備〜
日本が世界に誇る鉄道車両用床下機器 ![]() 昨今、鉄道車両を取り巻く環境は、大きく様変わりしている。国内では当面大きな路線拡大の予定はなく、置き換え需要が中心となり、2012年以降は市場の縮小が予想される。一方、海外は、世界中で鉄道需要が拡大しており、高い技術力を持つ日本メーカーにとって「海外市場への対応が必須」と、同社水戸交通システム本部電気品製造部部長の本宮敏行氏は語っている。 現在、床下機器の国内市場は年間約1,000億円強といわれ、同社は約30%のシェアを獲得している。その内訳は、やはり輸出が右肩上がりで増え続けており、約30%を海外向け製品が占めている。 ますます増大する中国向け製品への対応 ![]() 中でも、中国のインフラ・鉄道整備に伴う案件は、ますます増加している。現在、中国では「中長期鉄道網計画」に基づく高速鉄道の路線拡大だけでなく、都市圏における軌道交通の整備も進められている。同社でも高速鉄道用に加え、北京・上海・西安などの地下鉄、重慶のモノレールなどの床下機器を受注している。 国内向けが小ロットでほとんどをオーダーで設計するの対して、中国向けは「製品の真新しさよりも、安定した実績のある製品」(本宮部長)が要求されるという。 製造リードタイムを1/4まで短縮するためのシステム化 ![]() そんな同社が現在、取り組んでいるのが「数年前の1/4まで製造リードタイムを短縮する」(本宮部長)こと。そのため、設計と現場が一緒になって生産工程の見直しを進めている。 床下機器は、1台につき部品点数は約1,000点、板金部材だけでも数百点に上る。その材料は、鉄(SPCC)60%、アルミ40%弱、ステンレスが数%で、部材は材質・板厚などの違いにより100種類近くになる。 これら多様な材料に加えて、随所に溶接が必要な生産工程は、複雑多岐にわたる。一方で、ますます増大が見込める海外向けの大量受注に対応するために、工程のシステム化・自動化が課題となっている。... つづきは本誌2011年2月号でご購読下さい。 |