〜2011年の板金業界はどこへ向かう?〜
4兆元景気対策から第12次5カ年計画へ 中国の2010年7〜9月期のGDP伸び率は9.6%と、4四半期ぶりの1桁成長になった。第1四半期11.9%、第2四半期10.3%、第3四半期が9.6%と伸び率の減速傾向が続いている。これは、前年同時期の数値が高かったこと、環境対策などから一部業種の生産調整を行ったことなどが原因だが、中国経済は引き続き好調といえる。社会消費品小売総額は前年同期比約18%増の11兆1,029億元と、輸出が伸び悩む中、内需が拡大している。上半期の中国機械工業の総生産高は6.59兆元と前年同期比36.9%増。特に、自動車業界は48.9%増、建設機械業界が54.4%増、ディーゼルエンジン業界は37%増と成長が加速している。 これまで中国の経済成長は、主に沿海地域での輸出がけん引してきた。だが、08年の金融危機以降、沿海部から中西部へ、輸出依存から内需拡大へと、経済構造の転換が図られている。2005〜10年の第11次5カ年計画(以下、11・5計画)では、中部・西部・東北部などのインフラ整備に重点が置かれ、09年金融危機に対する4兆元の景気刺激策でも、インフラ整備に多額が投入された。特に、道路・鉄道など物流関連の09年の投資額は鉄道6,823億元、道路1兆383億元で、道路インフラの整備は09年時点で10年の目標値を達成した。 この動きをさらに進めるのが、「調和のとれた社会」「富国と強国」をスローガンに、顕在化した格差や環境などの社会問題を解決しつつ持続的な成長を促す2011〜15年の「第12次5カ年計画(以下、12・5計画)」だ。 コスト・立地の両面から利点が多い中国中部 ![]() 日本企業にとって内陸部の1番の魅力は、豊富な労働力。労働賃金の上昇や労働力不足に悩む沿海部に比べ、内陸部の人件費はまだまだ低い。たとえば、上海から400kmほど内陸にある つづきは本誌2010年12月号でご購読下さい。 |