〜SHEET NOW〜
リーマンショック後も“オーダ型”の昇降機は横ばい ![]() 「昇降機は大きく分けて、マンションタイプと呼ばれる“標準型”、高層ビルやショッピングセンターなどで使用される“オーダ型”の2種類があります。当社の受注は“標準型”60%、“オーダ型”40%の売上比率になっています。“標準型”はリーマンショック後、半分近くにまで落ち込みましたが、“オーダ型”は特に大きな落ち込みもなく横ばいで推移しています。メインのお客さまは中国での内製化率・調達率を上げていく方針のようですが、その他のお客さまは労働争議や人件費の急騰、加工品質の低さといった要因から、国内に回帰しようとする動きもあるようです。国内の昇降機市場は2〜3年間、横ばいが続いてから、ゆるやかに回復していくと見込んでいます。ただし、元のボリュームに戻ることは決してないでしょうから、過度な期待は禁物です」と山野内大二郎取締役工場長は現状を分析している。 1社依存への危機感から新規開拓に着手 ![]() 「現在の当社があるのは、あくまでもメインのお客さまあってこそ、『お客さまに育てていただいた』という意識は強く持っています。しかし特定のお客さまだけに甘えているばかりではいられませんので、昇降機など既存の業種とお客さまとの取引を大切にする一方で、その他の業種の得意先を増やしていきたいと考えました。主な営業手法は、展示会への出展、商談会への参加、紹介などで、昇降機業界や高速鉄道車両業界で培ったR曲げ、V溝曲げ、歪みを最少にするハードロック接着、プロジェクション抵抗溶接、アルミ溶接といった技術を積極的にPRしています。特に展示会には年に3回、出展しています。毎年6月に開催され ている『機械要素技術展』もそのひとつで、今年は目標にしていた名刺獲得枚数1日60枚もクリア。すぐに新規受注に繋がるわけではありませんが、少しずつ実を結んでいってほしい。今後の展開に期待を持っています。今回、思い知ったのは展示ブースの位置の大事さです。当社は展示会開催日の間に、次回の出展予約と出展希望位置を申し込むようにしています。もう1つは、人目を惹く展示品の効果です。今回、当社は第22回精密板金製品技能フェアの『造形を主眼とする組立品の部』で銀賞を受賞した『チェス』を、一番目立つ場所に設置。たくさんの来場者の方がモノ珍しさから立ち止まり、そこから会社PRや商談に繋がっていくケースがよくありました。精密板金製品技能フェアに出品するメリットは、ただ技能を競うというだけではありません。当社が蓄積してきた技術・技能の結晶である製品を製作することで、営業ツールとしても効果的に活用することができます」。... つづきは本誌2010年10月号でご購読下さい。 |