〜地産地消が進む医療機器関連と板金業界〜
創業43年の中堅企業 ![]() ![]() 白井義男社長は会社が設立されて6年目に入社、1995年に社長に就任した。現社長が入社してからは時代の変遷にともない弱電関連の金属プレス加工から仕事の内容も変化、板金加工が主体となっていった。それに対応して積極的にコンピュータ化やデジタル化に取組んできた。企業理念として「ヒトとマシン・コンピュータが融合した理想的な生産」を掲げるようになった。 同社が主としている業種は医療機器関連で、主に測定用機器や治療用機器のベースやフレーム、カバーなどの板金製品。他には、創業当時から付き合いのある情報機器関連メーカーからコンピュータ関連のシャシー、カバー、ボックスなどの仕事を受注している。 「創業当時から、情報機器関連の薄モノを主体とした製品の加工を得意としており、その技術を活かして現在では、医療機器関連や電子部品メーカーなどから仕事を貰うようになりました。医療関連の仕事は約30年前にある取引先から紹介され、医療機器メーカーの資材から『こんな仕事があるがやってみないか』と図面を貰い製作しはじめたのが始まりです」。今では同社の仕事が受注全体の4割を占める大きな柱に成長した。 リーマンショックでも解雇はせず ![]() 「医療機器以外の仕事は半分以下になったままで本格的な受注が何時ごろになるか見通しは立っていません。減収になって損益分岐点が上がったために、固定費の削減目的で人員削減を行う同業他社の風評が入ってきましたが、当社はなんとか社員を護りたい一心で社員削減などは行わず、その代わりに『勤務時間を短縮してでも、みんなで乗り越えよう』と社員を励まし理解を得て、凌ぐことができました」、と当時の辛酸を話してくれた。しかし、そのことにより、社員たちからの信頼と、社員同士の連帯感が向上したように感じる、と話す。 適材で製造 医療機器関連の測定用機器・治療用機器の材料は鉄系が主で鉄系材料が全体の5〜6割を占める。板厚は1.0〜2.0mm程度までが多い。一部ステンレスを使用する製品もあるが割合は1割くらい。その他、電子機器関連ではアルミを2割程度使用している。アルミを加工した後のアルマイト処理は同社の敷地を借りて操業するアルマイト加工処理会社があり、横持ち作業といっても社内の1つの工程のような感じで、気軽に外注できるのも同社の強みとなっている。... つづきは本誌2010年7月号でご購読下さい。 |