連載「ユーザーが語るデジタル-第3回」
![]() ◆つかう SDDに記録された加工データを現場の加工マシンに呼び出し、実加工に“つかう”。そのときに、現場の加工マシン側で加工データを微修正し、板厚のバラツキや使用金型の磨耗状態といったプログラム段階では分からない現場属性を反映させる。この修正値を「最終補正値」と呼び、修正後のデータは再度SDDに記録。リピート加工の際には修正後のデータを呼び出して“つかう”。 ここまでの一連の流れはブランク工程でも曲げ工程でも同様だが、曲げ加工においてとりわけ有効に働くので、ここでは曲げ工程についての声を中心に紹介する。 ○曲げ加工データの有効活用による省熟効果 ![]() 「作業する技量を身に付けるためには時間がかかる」((株)栄進産業・徳島)。 このように曲げ加工の難しさを語る声がある一方、Dr.ABE_Bendにより外段取りで作成された曲げ加工データを“つかう”ことで曲げ作業者の省熟効果が得られたと語る声も多い。 「担当する作業者も曲げ加工に携わるのは初めてという未経験者だったが、1カ月も経たないうちにベテラン作業者と同等の曲げ加工ができるようになった」((有)田中鉄工・広島)。 「経験の浅い作業者がHDS-NT機のコントロール画面、AMNC/PC画面に表示される段取りの通りに金型をセットするだけで、技能者と同じような曲げ作業が簡単にできるようになった」((株)上陽・群馬)。 「ネットワークベンダーが導入される以前は、経験の浅い人はすぐに曲げ作業に入れず曲げがネック工程となっていたが、今では経験の少ない作業者が楽々と稼働させている」(岡田鈑金(株)・茨城)。 曲げ加工データ作成の外段取り化を進めたことで、「女子社員や未経験者でも高精度な曲げ加工ができる仕組みができ上がっている」((株)アクシス・山口)。 ○時短と不良撃退にも大きく貢献 ![]() 「Dr.ABE_Bendを活用することによって生産性は3〜4割改善」((株)石川工業所・静岡)。 このように、外段取りで作成した加工データを“つかう”ことで、時短や不良撃退の効果にも繋がる。... つづきは本誌2010年6月号でご購読下さい。 |