〜特集「不況に負けない−がんばる板金サプライヤー」〜

100年に一度の大不況を乗り切る
偉大な父親の信用を礎にIT力と技術力で新しい分野に




「板金加工部品の部」で金賞を受賞した「HOUSE」吉田弘和社長(左)と荒井義弘工場長(右)
「照明器具の吉田」
同社は、創業者の孫である吉田弘和社長・明弘専務取締役の父親が照明器具関連の事業を興し、順調に業績を拡大、当時は「大阪のさぶちゃん」して照明業界でもつとに有名人であった。当時の繁栄ぶりを示す1例は、皇居新宮殿に自社で製作したシャンデリアを奉納したこと。また、京都御所の照明器具も献納したことなど。数えきれないほどある日本中の照明メーカーの中から同社に白羽の矢が立った経緯を吉田社長に聞く。
「私たちの父親は、当社の礎を築いた創業者でもあります。当事、照明器具業界では『大阪のさぶちゃん』として有名で、このあたりでは知らない人がいないほどでした。板金加工を中心に照明器具の難しい製品に挑戦するにつれ、技術の向上とともにデザイン的にも優れたアーティストとしてのセンスも高い人でした。子ども心にも、あの指先が“魔法の杖”のように感じました」と言うほど、職人としての父親を尊敬し、父親がつくり出す製品を誇りに思っていた。そんな業績の良い時に同社に入社した吉田社長だが時代が流れ、新しい時代を切り拓いていくため、1990年に社名をテック・ワンと変更し、法人としての地位を確立した。「その頃から『業種は何ですか』と聞かれると困るような状態でした。なんでもやっていましたから」と言うように、請けたモノは何でもこなすようなり、それらの経験から技術力を蓄え、お客さまの要望により溶接・塗装・仕上げまで対応するようになっていった。
池田則正社長(中央)を囲んで大関さん(左)と皆川工場長(右)第2工場の目玉のレーザマシンLC-2412F1NT。1台で穴あけ、切断を行い、
インパクトのある加工を行う
アマダとの出会いは父の代から
「早くからプロメカム社(フランス)のRGを、父親の時代からアマダの設備を導入してきました。いろいろなメーカーが売り込みに来ますが、曲げに関してはアマダ以外に選択肢はありませんでした。それ以来、その折々の仕事に適した設備を導入し、時代の要求する製品に仕上げていきました。社名変更した1990年以降、2003年に...

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