シートセンター「LASBEND-AJ」、ドイツ・BVS社で本格稼働
メーカーとユーザーが二人三脚で完成させた“夢のマシン”
BVS Blechtechnik GmbH
BVS Blechtechnik GmbHのCEO、Harald Steiner氏
2013年11月、アマダが開発した世界唯一の工程統合型オールインワンマシンであるシートセンター「LASBENDAJ」が、ドイツ・BVS Blechtechnik GmbH(以下、BVS)で本格稼働を開始した。
BVSは、南ドイツ・シュツトガルト近郊にある精密板金サプライヤー。2000年以降、LASBEND-AJのベースマシンであるASTRO-540 InterProをはじめ、ベンディングロボットシステムASTRO-100NTセルなどを複数導入し、変種変量生産に対応する自動化に取り組んできた。2010年、同社を訪問したアマダの岡本満夫社長に、BVSのHarald Steiner(ハラルド・シュタイナー) 社長が「究極のオールインワンマシンをつくっていただきたい」と要望したことが、LASBEND開発のきっかけとなった。
アマダの岡本社長はこの要望を快諾。ハード・ソフト・レーザ・周辺装置・金型など全世界に展開するアマダの開発リソースからメンバーを選抜し、開発プロジェクトチームを編成。2年という極めて短い期間でプロトタイプを完成させ、2012年にドイツ・ハノーバー見本市会場で開催された「EuroBLECH2012」で発表した。
アマダとBVSは、メーカーとユーザーが二人三脚で開発したLASBEND-AJにより、EuroBLECH出展機の中から先進性や技術革新性などを基準に選考される「MM Award」を共同受賞した。
それから約1年――満を持して本格稼働を開始したLASBEND-AJについて、BVSのSteiner社長に話を聞いた。
LASBEND-AJで加工したワークをつぶさにチェックするHarald Steiner社長
――ドイツの板金業界の状況と展望を聞かせてください。
Steiner 社長(以下、姓のみ) 現在のドイツの板金業界は「良い(good)」と「満足できる(satisfactory)」の間くらいでしょうか。もちろん、得意先の業種によって大きなちがいがみられます。また、世界中のサプライヤーが欧州市場へと入り込んできており、欧州の板金業界では激しい受注競争が起こっています。効率的なマシンに投資する革新的な企業だけが、この競争で生き残ることができると私は考えます。こうした中で、LASBEND-AJによってもたらされる新しい価値は、当社に「一歩リードできるチャンス」を与えてくれると期待しています。
――LASBEND-AJ 導入の経緯と狙いを教えてください。
Steiner 約10年前、当社はこれまでの仕事に加え、小ロット・短納期の試作の仕事をスタートしました。この仕事に対応するためには、効率よく短時間でセットアップでき、しかも高精度で加工できるマシンが必要でした。LASBEND-AJは、人手を介することなく、レーザ切断・成形・タップ・曲げの工程を1つに統合したオールインワンマシン。様々な工程間のスケジュール調整が不要で、時間短縮を図れるうえ、完全な自動運転で、ドイツの高い人件費を削減し、コストダウンにつなげることができます。その分、付加価値の高い仕事に人材をまわすこともできます。
稼働を開始したアマダのシートセンターLASBEND-AJ
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