新たな価値創造に挑む九州
県内企業を支援する「技術の拠りどころ」
レーザ加工技術を地元産業の振興に役立てる
鹿児島県工業技術センター
①2012年に導入されたレーザマシンQuattro(2kW)。加工時に発生するガスや粉塵の機外排出を防ぐため、フルカバーを装着させた/②Quattroで切断加工した製品
県内企業を支援する「技術の拠りどころ」
西元研了副所長(左)と新村孝善所長(右)
鹿児島県工業技術センターは、県内企業を支援する「技術の拠りどころ」として技術相談・指導、依頼試験・分析などの技術支援、モノづくり基盤技術の高度化や地域資源の付加価値創造などの研究開発を通して、県内企業の技術開発・技術力向上を支援する役割を担っている。
同センターの前身は95年前の1923年(大正12年)に設立された工業試験場。当初は、「染色」「機織(はたおり)」の2部が設置されていた。終戦後の1946年に「工芸指導所」に改称、「庶務」「化学」「窯業」「工芸振興」の4部に改編された。
1949年には「工業試験場」と改称し、「庶務」「化学」「工芸(木工・竹工・窯業)」に改編。1951年に発酵工業部、1964年に化学部に機械金属班が設置された。1987年に工業試験場・木材工業試験場・機械金属技術指導センターの3機関を再編・統合して、「鹿児島県工業技術センター」が設立された。
左:Quattroで木材を切断加工する/右:Quattroの吸引ダクトに付けた自作のフィルター
試験研究と技術支援を実施
同センターでは、中小企業の技術開発、技術力の向上などを支援するため、技術相談や依頼試験・分析、各種技術情報の提供を行うとともに、試験研究機器の利用にも対応。こうした活動の一環として金型加工、精密加工、溶接、金属熱処理などの技術力の向上・省力化を含めた生産工程の合理化や、企業技術者の育成を積極的に進めている。
機械金属工業関係の設備を拡充することにより、積極的な試験研究と技術支援を実施。業界に設備を開放して活用の促進をはかり、県内の機械金属工業の技術向上と振興に寄与している。
左:仏壇に使われる彫刻された木製の細工物をレーザ加工した事例/右:レーザ加工されたさまざまな木製品
機関情報
- 機関名
- 鹿児島県工業技術センター
- 所長
- 新村 孝善
- 住所
- 鹿児島県霧島市隼人町小田1445-1
- 電話
- 0995-43-5111
- 設立
- 1987年
- 所員数
- 46名
つづきは本誌2018年3月号でご購読下さい。