成長を後押しする補助金活用の手引き

既存技術を活かして新市場へ ― 「新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠)」

株式会社 ゼロプラス 岡山事務センター

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既存技術を活かした新市場開拓のチャンス ― 新分野への挑戦を後押しする補助金

近年、板金業界全体の技術水準が高まる中で、「この技術があれば別の業界のニーズにも応えられるのではないか」と感じたことはないでしょうか。

こうした新たな事業展開を後押しする制度として、2026年度から「新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠)」が実施されています。本制度は、最大9,000万円の補助が受けられるなど、新分野への積極的な挑戦を後押しする内容となっています。また、その前身である「新事業進出補助金」の採択率は、第1回が約37%、第2回が約35%となっており、おおむね30%程度の採択水準が続いています。こうした傾向は、2026年度以降の本制度でも継続するものと考えられます。

「新事業進出枠」とは ― 「製品」「顧客」の双方で新規性が求められる

あらためて、「新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠)」の概要を整理しておきましょう。「ものづくり補助金」の後継である「新事業進出・ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)」については、本連載の第8回※で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

まず、本補助金の位置づけを理解するうえで、従来制度からの流れを押さえておく必要があります。始まりは、コロナ禍からの回復支援を目的に創設された「事業再構築補助金」でした。社会経済の回復にともない、2025年度からは成長志向の企業を後押しする制度として「新事業進出補助金」へと引き継がれ、さらに2026年度からは「ものづくり補助金」と統合されるかたちで「新事業進出・ものづくり補助金」として再編されています。これにより、中小企業の売上拡大や生産性向上を一体的に支援する制度へと転換されました。

「新事業進出・ものづくり補助金」には複数の申請枠が設けられており、そのひとつが「新事業進出枠」です。本枠では、既存製品とは異なる新製品・新サービスを、既存顧客とは異なる新たな顧客層へ提供する取り組みが補助対象となります。すなわち、「製品」と「顧客」の双方で新規性が求められる点が大きな特徴です。

なお、もうひとつの申請枠である「革新的新製品・サービス枠」においても新製品等の開発が要件となりますが、こちらは新市場・新顧客への進出までは必須とされていない点にちがいがあります。

補助率は1/2、補助上限額は従業員規模等に応じて2,500万~9,000万円となっています(図1)。2026年6月頃から第1回公募が始まり、2026年度末までに複数回の公募が実施される見込みです。また、参考にされると考えられる「新事業進出補助金」の主な基本要件および賃上げ要件は、図2のとおりです。

  • 画像:既存技術を活かして新市場へ ― 「新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠)」図1:「新事業進出・ものづくり補助金」の補助上限金額・補助率
  • 画像:既存技術を活かして新市場へ ― 「新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠)」図2:前身である「新事業進出補助金」の要件(参考)

つづきは本誌2026年6月号でご購読下さい。

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