今さら聞けない「補助金」の仕組み
株式会社 ゼロプラス 岡山事務センター
補助金制度について悩んだことはありませんか?
●「現状の補助金制度は、複雑になってきていてわかりづらい」
●「補助金の申請は大変になって敬遠している」
●「賃上げ要件がきびしくて、結局使えなかった」
これまでに補助金を活用したことがある方でも、このように感じていらっしゃるのではないでしょうか。
私たちは「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」など、数多くの補助金申請支援を行っている中小製造業に特化した経営コンサルティング会社です。こうした声を現場で直接うかがいながら、「補助金申請は難しいけれど、うまく活用したい」と考える企業の成長機会を支援してまいりました。
昨今は、補助金制度が複雑化する一方で、制度の目的そのものが変わったものもあります。本稿では、制度の基本に立ち返りながら、「今、補助金をどう読み解き、どう活用すべきか」をわかりやすく解説していきます。
補助金とは? ― 中小企業の成長を促し、経済成長につなげる
補助金とは、
①国や自治体(都道府県や市町村)から
②事業に要した費用の全部または一部に対し
③原則、返済不要のかたちで給付される金銭的補助
― のことを指します。
たとえば、「業務効率化のために新しい機械を導入する際、国などがその費用の一部を負担してくれる」というイメージです。
補助金は、国や自治体が政策目標を実現するために、事業資金の一部を給付する制度で、特に企業の設備投資への補助金は、国による国力増強をはかる投資資金という意味合いが強いです。わが国の事業者のうち99.7%を占める中小企業の成長を促すことにより、日本全体の経済成長につながると政府も明言しています。そのうえで、生産性の向上や労働者の賃金向上につなげたいという狙いがあります。
補助金には「テーマ」がある
補助金の制度設計に先立ち、国や自治体は、どのような分野に投資していくのか(たとえば「省力化」などのテーマ)を決めており、そのテーマに民間企業が積極的に事業進出・事業投資を行うよう補助金制度を設計します。
「補助金の採択率を高めたい」「より多くの補助金を獲得したい」と考える経営者のみなさまは、国や自治体の意図をくみ取り、そこにマッチする自社の計画を探すことが重要になります。
投資先分野を見極めるタイミング
国がどのような分野に注力していこうとしているかは、政府方針を追いかけることで把握することができます。具体的には、通年で以下のような流れで決定していくため、それぞれのタイミングで情報収集をはかられると良いでしょう。
6~7月 通称「骨太の方針」が発表され、補助金を含む国全体の経済・財政に関わる大方針が記載されているため、前述のような今年のテーマが概ねわかります。2025年度であれば、省力化や賃上げが特に大きなテーマとして設定されています。
12月 「補正予算」決定。中小企業向け補助金関係はほとんどが補正予算から資金が出るため、12月の予算確定のタイミングで翌年実施される多くの補助金の概要が公開されます。
翌年2月頃~ 各種補助金の公募要領が公開され、公募が開始されます。
2025年度の補助金と昨年からの変遷
経済産業省が実施する主要な補助金事業について見てみると、2025年度は過去の「コロナ禍の救済/復活」といったテーマが完全になくなりました。その代わりに「省力化」「成長志向の中小企業」など、新たに中長期に続きそうなテーマが生まれ、補助金制度自体も大きく変化しました(表)。
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