曲げ加工の段取り改善と高精度化への対応
大型盤筐体の曲げ加工に対応する
HG-1303の追従装置と曲げ角度センサーBi-S×2軸が省力化、生産性向上に貢献
有限会社 トライテック
左:HG-1303(追従装置・曲げ角度センサーBi-S×2軸付き)による大型製品の曲げ加工/右:従来はアングルによる製缶構造だった大型盤筐体(高さ2,300㎜)を、モジュール式の板金パネル構造に置換。大型製品の曲げ加工が増加し、HG-1303が貢献している
大型盤筐体の仕事を開拓し業績回復
㈲トライテックは、精密板金工場に勤めていた西岡裕世社長が1992年に独立して設立。太陽熱温水器、コントロールボックス、食品包装機フレーム、防音ボックスなど肩幅サイズの筐体加工を中心に手がけながら業績を伸ばしてきた。
2008年、増産に対応するため工場移転を決断。それまでは貸し工場を利用していたが、2008年には現在地に土地を購入した。敷地面積1,250坪、有効面積(平らな部分)1,000坪の土地に、建築面積180坪の新工場と60坪のプレハブ建屋を建設、2009年に移転した。
岡社長は「リーマンショックまでは順調でしたが、リーマンショック後はめまぐるしく状況が変わり、工場が竣工したばかりだったこともあって大変でした。リーマンショックで大きく落ち込み、2年かけて回復してきたと思ったら、2011年の東日本大震災で再び落ち込みました。2012年秋頃からは新たな製品分野へ踏み出していったことで再び回復していきました」とこれまでの経緯を振り返る。
それまでは肩幅サイズの筐体が中心だったが、リーマンショック以降の仕事量は全体的に減少傾向。そうした中、2012年秋頃からは山藤照彰専務が中心となって新規開拓に取り組み、大・中型の配電盤・制御盤筐体の受注を伸ばしていった。
2014年2月には、大型盤筐体の曲げ加工能力を増強するためのソリューションとして、ハイブリッド・ドライブシステム搭載の高速・高精度ベンディングマシンHG-1303を追従装置付き、曲げ角度センサーBi-S×2軸付きで導入した。
代表取締役の西岡裕世氏
高さ2,300㎜の盤筐体が主要製品に
2012年秋から新たに受注するようになった大型製品は、ビル・工場の守衛所やコントロールセンターの裏に20~30面がずらりと並ぶ制御盤や、製鉄所などのプラント向け高圧配電盤の筐体。サイズは基本的に、高さが2,300㎜または1,950㎜の2種類、幅が800・900・1,000㎜の3種類。発注元の配電盤システムメーカーに納品し、そこから全国のエンドユーザーへ向けて輸送、据え付けられる。
「おそらく東京五輪開催にともなう再開発や国土強靱化に関連した需要も含まれていると思います。建築関係が全体的に好調なので、盤筐体の今後の需要も堅調であってほしい」と西岡社長は語っている。
①HG-1303をはじめ、ネットワーク対応型ベンディングマシンが並ぶ曲げ工程。早くから立体運用を活用してきた/②加藤俊則工場長がHG-1303 のAMNC 3iで展開図データと立体姿図を呼び出し、曲げ順序や使用金型の選定を行う/③曲げ角度センサーBi-S×2軸の効果により、±30分以下の曲げ精度、通り精度を一発で出せるようになった
会社概要
- 会社名
- 有限会社 トライテック
- 代表取締役
- 西岡 裕世
- 住所
- 広島県広島市安佐北区安佐町大字久地2854-31
- 電話
- 082-810-3818
- 設立
- 1992年
- 従業員
- 16名
- 業務内容
- 配電盤・制御盤筐体、通信機器筐体、光ケーブル施工部材など
つづきは本誌2015年6月号でご購読下さい。
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