「環境対応型製品」を特徴とする研究開発型メーカー
ファイバーレーザマシンFOL-AJ導入から3年/Z軸倣いセンサーを応用した立体成形品の加工にも活用
オリオン機械 株式会社
①2012年3月に導入したファイバーレーザマシンFOL-3015AJ/②精密空調機器「PAPシリーズ」。ステンレス部品の割合が高く、FOL-AJの重要性が増している
長野県北信地区を代表する研究開発型メーカー
オリオン機械㈱は長野県北信地区を代表する酪農機器・産業機械メーカー。同社は早くから板金加工をコアコンピタンスとして位置づけ、生産性向上と夜間無人運転による24時間連続稼働を実現するため、先進的な取り組みを進めてきた。
30年前には、アマダの協力を得て板金FMSラインを導入。これはNCタレットパンチプレス2台とBLS(NC L型シャー)の3台が自動倉庫と連動するシステムで、素材の供給から穴あけ・切欠き・切断・仕分けまでを行う自動化ラインだった。その後、自動倉庫と2台のNCタレットパンチプレスが連動するminiFMSを導入。その過程で、シートネスティングされた製品のバラシ作業を自動化する「ミクロジョイントセパレータ」を自社開発し、バラシ作業の省力化を図った。
1990年代後半にはステンレス材の増加に対応してレーザ加工の採用を検討しはじめ、1997年にはパンチ・レーザ複合マシンを導入。2005年にはCO2レーザマシンFOL-3015NT(以下、FOL-NT)を導入し、ステンレスの薄板加工に活用していった。さらに2012年3月にはファイバーレーザマシンFOL-3015AJ(以下、FOL-AJ)を導入し、ステンレス加工の主力マシンとして活用している。
同社を前回取材したのは、FOL-AJ導入から半年後の2012年秋。それから2年半―FOL-AJ導入から3年が経過した段階での活用状況と効果、課題について話を聞いた。
①業務用石油可搬形ヒーターに使用する耐熱ステンレス(SUS309)製放熱パネル。成形加工後のR面にFOL-AJのZ軸倣いセンサーを活用して割れ防止のスリットをレーザ加工/②産業用ポンプのマフラーに使用する波板。同じくFOL-AJのZ軸倣いセンサーを活用して凹凸部もレーザ加工
ステンレス材の加工にレーザ加工を採用
同社はFOL-NTを導入した時点で、ステンレス材はレーザ加工で対応する方針を明確に打ち出してきた。
「理由は2つあります。1つめは単純に、ステンレスは靱性が高いためパンチング加工だと金型にダメージを与えてしまうこと。2つめは、ステンレスのキロ単価が鋼板と比べて圧倒的に高く、パンチング加工と比べて材料歩留りが高いレーザ加工の方が適しているためです。パンチング加工で外周をニブリング加工すると抜き落としのための桟幅を広めにとる必要がありますが、レーザ加工であれば図形ネスティングで桟幅を狭くでき、それだけ材料歩留りを高められます」。
「また、ステンレスに限りませんが、仕上げレスでよいこともレーザ加工の大きなメリットです。FOL-NTを導入したときに社内の品質規程を改定し、それまで外周をグラインダーでバリ取りしていた部品も、社内規程で『並1級』に分類される部品に関しては、レーザ加工後に仕上げをしなくてよいこととしました。レーザの採用により、金型寿命、材料歩留り、仕上げ工数削減といった面で、大きな効果が出ています。これはFOL-NTがFOLAJになっても変わりません」。
会社概要
- 会社名
- オリオン機械 株式会社
- 代表取締役社長
- 太田 哲郎
- 住所
- 長野県須坂市大字幸高246
- 電話
- 026-245-1230
- 設立
- 1946年
- 従業員
- 600名(グループ30社計1,900名)
- 業務内容
- 温度検査装置・精密空調機器・エアードライヤー・チラー・除湿乾燥機・真空ポンプ・食品機器・ジェットヒーター・酪農機器の開発・製造・販売
つづきは本誌2015年6月号でご購読下さい。
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