次世代光電子融合デバイスに向けたゲルマニウム受発光素子の開発
早稲田大学大学院 情報生産システム研究科 志村 考功 教授
次世代光電子融合デバイスのためのゲルマニウム受発光素子を開発する
早稲田大学大学院・志村考功(たかよし)教授
早稲田大学大学院 情報生産システム研究科の志村考功教授の研究テーマ「レーザー溶融結晶化による結晶成長プロセスの現象の理解とその制御」が、天田財団の2024年度「重点研究開発助成」にレーザプロセッシング分野で採択された。この研究は、形成される単結晶GeSn細線による室温動作、低しきい値でのレーザー発振を実証し、次世代光電子融合デバイスに向けたゲルマニウム受発光素子の開発を目指している。
ヒューマンインターフェースとしてのVR技術の普及や、現実世界のデータを用いたサイバー空間を再現するデジタル技術により、生産プロセスなどが大きく変わろうとしている。これらを実現するには3次元情報をリアルタイムに伝送するための膨大な情報処理が求められ、従来のシステムでは通信速度とデータ処理速度が限界に直面している。さらに、IoTの進展にともなうネットワークに接続するデバイスの指数関数的な増加は、膨大なエネルギー消費を引き起こしている。特にデータセンターの電力消費量の増加は世界的な問題となっており、その影響が懸念されている。
エレクトロニクスの基盤材料であるシリコン(Si)は間接遷移型の半導体であるため、光源材料としての利用が困難である。一方、光通信で光源材料として一般的に用いられているⅢ-Ⅴ属化合物半導体はSiに対してドナー/アクセプタとして作用するため、Siプロセスとの整合性に課題がある。Siプロセスと高い整合性を持つⅣ族材料で光源が実現できれば、光電子融合デバイスの破壊的なイノベーションを引き起こすと期待される。
ステッピングモータコントローラなどの測定装置
移動してきて1年目の実験室の整備はこれから
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