産業振興
アマダスクール、伊藤克英氏が新理事長に就任
キーワードは「リモート化」 ― “サイバー”と“フィジカル”のめりはりが大切
職業訓練法人アマダスクールは、5月23日の理事会で、理事長を務めていた末岡愼弘(すえおかちかひろ)氏(現公益財団法人天田財団理事長)が退任し、伊藤克英(かつひで)氏(前株式会社アマダ顧問)が新理事長に就任した。
アマダスクールは1978年に日本で初めての金属加工機械専門の職業訓練法人として発足。開校以来、「シートメタル(板金)加工の技術革新に対応した新しいモノづくり」を志向した技能教育・人材教育に貢献してきた。また、技能検定では神奈川県の実技試験会場として検定設備およびスタッフを提供し、同検定の運営を支援。さらに、板金業界の加工技術・技能の向上や相互啓発を目的として、1989年より毎年「優秀板金製品技能フェア」を主催している。
5代目理事長に就任した伊藤克英理事長に、これからのアマダスクールの活動について話を聞いた。
キーワードは「リモート化」
― IoTや5Gをはじめとする急激な環境変化とコロナ禍への対応を迫られるさなかでの理事長就任となりました。抱負を聞かせてください。
伊藤克英理事長(以下、姓のみ) この機をチャンスと捉え、アマダスクールの事業も変化していかなくてはなりません。
IoTや5Gの普及、コロナ禍によって、世の中すべてが変わろうとしています。教育機関も“3密”回避のため思うように授業ができておらず、アマダスクールも時代に即した運用を採り入れていく必要があります。
キーワードは「リモート化」です。お客さまとアマダはV-factoryでつながるようになっています。アマダはV-factoryのコンセプトとして「IoTプロダクト」「IoTサービス」を掲げていますが、アマダスクールとしてはもうひとつ「IoTスクール」を付け加えられるような取り組みを模索していきたいと考えています。
アマダスクールの役割、お客さまの期待
― アマダスクールに求められている役割について、どのようにお考えでしょうか。
伊藤 アマダスクールは、マシン操作やCAD/CAM技能の修得をサポートする「技術・技能教育」、業界に特化した実践的な経営後継者育成を行う「経営後継者育成教育」、「優秀板金製品技能フェア」や全国シートメタル工業会での研修を開催する「業界支援活動」の3つの事業を展開しています。
「技術・技能教育」は、マシンの導入前教育・導入後教育をサポートしていることがお客さまの安心につながり、アマダの販売促進にもつながっています。コロナ禍で教育を停止している間は、マシンを導入したお客さまから多くのお問い合わせをいただき、教育を再開した途端に申し込みが殺到しました。このことは、アマダスクールに対するお客さまの期待の大きさを裏づけていると思います。
「経営後継者育成教育」は、計22日間の合宿研修「JMC」(Junior Management College)と6カ月間の全寮制合宿研修「GMC」(Green Master College)の2つがあります。
つづきは本誌2020年8月号でご購読下さい。