板金論壇

中国の変化と板金業界

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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出入りが激しい中国板金業界

中国経済の減速が、中国の板金業界にも深刻な影響をもたらしている。特に昨夏以降、倒産・廃業する企業が増える一方、ファイバーレーザマシンを新たに製造するメーカー、あるいは導入して、ジョブショップを立ち上げる新規参入組も散見される。撤退する企業、新規参入する企業と業界地図もがらりと変わり、沿岸部では企業の20%あまりが入れ替わる現象まで起きているという。リーマンショック以降、中国の板金業界は人件費の高騰と加工単価の下落で、利益率が大きく低下。沿岸部の板金工場で働く中堅社員の給与は月額4,000~5,000元(8万~10万円)になっている。それに対して、加工単価はリーマンショック前に比べると半減してきており、結果として自動化に対する関心が高まっている。

4月に北京で開催された中国国際工作機械展覧会(CIMT 2015)には、31万5,000人と前回を11%も上回る来場者が集まった。景気減速に反して来場者が増加した背景には、板金業界への新規参入を考える企業や投資家が増えている証なのかもしれない。

その中でここ2年、目立ってきているのがファイバーレーザマシンを製造・販売する企業が増えたこと。その数は中国全土で百社を超えるという。レーザ関連の出展者に聞くと、中国政府はこれからの技術革新の目玉の1つとして、レーザ技術―特に省エネに貢献するファイバーレーザ技術の開発・実用化に力を入れており、ファイバーレーザ発振器の国産化に取り組む一方で、ドイツ、ロシア、フランスなどの企業と技術の導入や提携を積極的に進めている。開発にあたっては政府から支援金が拠出されるとも伝わっている。政府の肝いりということもあって「ファイバーレーザ」で差別化を図ろうという企業も増えている。

つづきは本誌2015年7月号でご購読下さい。

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