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「製造大国」から「製造強国」を目指す節目となった「第14回中国国際工作機械展覧会」(CIMT 2015)

“量”から“質”へと転換―自動化・知能化・省エネがテーマ

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画像:「製造大国」から「製造強国」を目指す節目となった「第14回中国国際工作機械展覧会」(CIMT 2015)「第14回中国国際工作機械展覧会」(CIMT2015)で催された開会式のテープカット。中国では腐敗(汚職)撲滅が叫ばれているため、式は簡素に行われた

来場者数は前回を11%上回る31万5,485人

4月20日から25日までの6日間、中国・北京の中国国際展覧センターで、「第14回中国国際工作機械展覧会」(CIMT 2015)が開催された。

今回は日本をはじめ世界28カ国から1,554社が、中国国際展覧センター8ホール(展示面積13万1,000㎡)に最新の工作機械、金属成形機械、レーザマシン、3Dプリンタ、CAD/CAMなどを出展した。主催者である中国机床工具工業協会によると、期間中の来場者総数は31万5,485人で、前回から11.06%増加した。

4月20日、10時から行われた開会式で、中国机床工具工業協会の常任副理事長である陈恵仁氏は、次のように挨拶した。

「中国の工作機械産業は、さらなる発展のために新たな変化を包含しています。急速にアップグレードされた中国の工作機械は、世界の工作機械産業と工作機械メーカーに挑戦と新しいチャンスをもたらしています。中国の工作機械産業の発展は高い技術力に支えられており、中国が目指す『新常態・新発展』に対応するため、CIMT 2015には発展のための新しい原動力である重要な技術が出展されています」。

画像:「製造大国」から「製造強国」を目指す節目となった「第14回中国国際工作機械展覧会」(CIMT 2015)①アマダは、ファイバーレーザマシンとファイバーレーザ複合マシンを棚付きのセル仕様で出展。中国でも自動化・知能化・省エネが大きなテーマとなっており、来場者の注目を集めた/②アマダが出展した、小物曲げの自動化に対応した全自動曲げ加工システムEG-6013AR。多くの来場者が関心を示した/③アマダは会期中、自動化・知能化・省エネの対応についてプレゼンを行った。毎回多くの来場者が聴講していた

「中国製造2025」(Made in China 2025)

中国では3月、北京で開催された全国人民代表者会議(全人代)で、「中国製造2025」(Made in China 2025)と名づけられた製造業育成のための10カ年計画が発表された。

その趣旨は、品質面で日米欧などに比して劣っている中国メーカーに財政支援を行うことで「製造大国」から「製造強国」を目指す、というもの。習近平政権は経済成長のパターンを“量”の拡大から“質”の向上に切り替えるとして、「新常態」(New Normal)と呼ぶ方針を打ち出しており、そのために「新発展」(New Development)を進めようとしており、「中国製造2025」はその柱といえる。

中国は改革開放政策で30年以上にわたって海外から製造業の工場を誘致。「世界の工場」と呼ばれ、製品を海外へ輸出してきた。だがここにきて人件費の急騰や元高による輸出鈍化などで、海外からの対中投資は伸び悩んでいる。

他方、世界第2の経済大国になった現在も品質やブランド力で国際競争力のある製造業が十分に育っておらず、日本や香港などを訪れる中国人観光客が海外製品を“爆買い”している。そうした背景から、習政権はメイド・イン・チャイナ製品の品質向上とブランド力アップを強力に進めるため、独自技術とそれを支える産官学連携の開発体制の構築を目指している。

また、習政権は腐敗撲滅を政権の大きな柱に掲げ、党や地方政府の幹部の腐敗(汚職)を徹底的に取り締まっており、企業間取引における不公正な取引も自粛され、従来の取引慣行にも大きな変化が起きている。

つづきは本誌2015年6月号でご購読下さい。

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