最先端のデジタル板金工場を稼働開始
鉱山機械の落ち込みを変革のチャンスに
アルファプロデュース 株式会社
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鉱山機械の落ち込みを変革のチャンスに
アルファプロデュース㈱は大手建設機械メーカーの2次サプライヤー。2001年に板金加工をスタートした当初はアミューズメントマシン用部材なども製作していたが、2000年代の建設機械需要の急増に対応し、現在では大型ダンプトラックやホイールローダといった鉱山機械向けの部材製作を中心に手がけている。
得意先の1次サプライヤーが受注したユニットのうち、同社は板厚12 ㎜以下の板金部材の大半を製作。基本的にはブランク・曲げ加工まで行って納品する。その後、得意先が溶接を専門に行う2次の溶接サプライヤーに溶接・組立を依頼。それが再び1次サプライヤーに納められ、最終組立後に大手建機メーカーへと納品される。
代表取締役の三柴彦和氏は「2012年8月以降、世界的な需要減により、当社がメインとしている鉱山機械の仕事は大きく落ち込んでいます。2012年6 ~ 7月が当社のピークでしたが、それと比較すると50%ちかく減少している。リーマンショック後に匹敵する落ち込みで、この状況は当面続くと思われます」と分析している。
鉱山機械は2012年夏以降、中国の景気減速の影響で石炭価格が低迷したことにより、世界的に需要が落ち込んでいる。露天掘りで石炭採掘を行うインドネシアでは、これに加えて現地通貨安の急落が追い打ちをかけた。
「だからこそ変革のチャンスなのです」と三柴社長は強調する。「2012年までは売上の90%を建設機械が占めていましたが、今は60 ~ 70%に減少しました。昨年10月には新工場が完成しましたし、この機に得意先業種を分散したいと考えています。今後は内需が活況な業種や薄板への対応を強化し、地力を底上げして、企業としての”格”を高めていきたい。社内外で定着している『アルファプロデュース=厚板』というイメージを払拭し、受注の間口を拡げていきたい」。
代表取締役の三柴彦和氏
次世代へ受け渡す”器”――新工場設立
同社は2013年8月に株式改組し、同年10月、栃木県栃木市に新工場を設立した。 「この工場は、会社を次世代へと継承し、事業を継続させるための”器”。会社としては、2002年の法人設立から2012年までの10年間を『第1期』、株式改組と新工場を実現した2013年からの10年間を、次のステップへと歩を進めるための『第2期』と位置づけています」(三柴社長)。 新工場は敷地面積5,600m2、建築面積1,750m2で、現在は第1期工事を終えた段階。同社はこれまで、基本的にブランク・曲げまでの対応だったが、新工場では溶接エリアを広く取っており、簡易的な塗装ブースも設置しようとしている。
新工場内の板金工程。奥にはレーザマシン3台、右側にはNTベンダー3台が並ぶ
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