Next Generation

小物部品を高精度で安全に曲げ加工/EG-6013ARへの期待

省熟化を図るとともに、自動化率を80%に引き上げる

沖電気工業株式会社 システム機器事業本部 メカトロシステム工場 製造部 部長 山科 良宣 氏

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9月14日、アマダ・ソリューションセンター(神奈川県伊勢原市)で開催されたベンディングソリューションDAYで、沖電気工業株式会社 システム機器事業本部 メカトロシステム工場 製造部 部長 山科良宣氏が「ベンディング自動化7台の活用事例とEG-6013ARへの期待」と題し講演を行った。同社は、1990年代からベンディングロボットを業界に先駆けて導入、現在は7セットのベンディングロボットを活用している。ここでは、山科製造部長による同講演の内容を抜粋して紹介する。

世界No.1 のメカトロ工場を目指す

本講演では、当社が取り組んでいる「曲げ加工の自動化事例」と、今年度の下期に導入を予定している「EG-6013ARへの期待」についてお話します。

本題に入る前に、まず、メカトロシステム工場(群馬県富岡市)の概要を簡単に紹介します。

メカトロシステム工場は、沖電気工業(株)(以下、OKI)が展開するシステム機器事業の基幹工場です。従業員総数は854名で、そのうち部品加工を担当する190名が、金融系情報処理製品(ATM・出納機・自動契約機・現金処理機・窓口端末)、運輸系情報端末製品(航空向けのチェックインカウンター、搭乗ゲート、鉄道向けの窓口発券端末、自動券売機)などの製作に携わっています。

端末機器の筐体やメカ部品などの製作は、板金加工を中核技術としています。またプレス加工、機械加工、金型製作などにも対応しています。

海外向け製品は、基幹ユニットなどを除き製作しておらず、基本的には適地適産の考えに基づき対応しています。

メカトロシステム工場が目指しているのは、多品種少量生産で、世界No.1のメカトロ工場。そのため高精度・高効率なモノづくりを追求しており、板金加工に関しては、±5/100の加工精度を基準値としています。

工場で取り扱う品目数は20万点で、1日あたりの加工品目は500点程度です。製品1台に使用している板金部品点数は3,000点前後で、加工ロットが1月あたり20台程度のものもあります。

画像:山科良宣製造部長山科良宣製造部長

曲げ加工の自動化比率の拡大で、曲げ工程の強化を図る

本講演では、当社が取り組んでいる「曲げ加工の自動化事例」と、今年度の下期に導入を予定している「EG-6013ARへの期待」についてお話します。

OKIは、これまで最新のパンチ・レーザ複合マシンやパンチングマシンなどを適時導入してきました。そしてブランク工程の強化にともない、次工程である曲げ加工の仕事量も次第に増え、10年前に比べると約2倍になっています。

また、コストダウンのため部品の複合化を進めているので、1部品あたりの曲げ回数も従来より多くなっています。

生産能力の要求が高まる一方で、曲げ加工経験を3年以上持つ熟練作業者が年々減少、ベンディングマシンの老朽化が進むなど――曲げ工程の強化が必要でした。このような中、曲げ工程を運用していくための取り組みとして、「曲げ加工の自動化比率の拡大」と「マニュアルのベンディングマシン(汎用機含む)のNC対応化」を推進してきました。

OKIでは、非NC対応のベンディングマシン(汎用機)であっても、独自の改良を行い、NCデータを用いた加工を可能とする取り組みを行っています。また、ベンディングマシンにタッチ式の液晶画面を後付けし、作業者へ作業内容のガイダンスを提供しています。この取り組みにより、比較的経験が浅い作業者でも曲げ作業を行うことを可能としています。さらに、作業前に入力した設定値(寸法)をもとに、加工後の曲げ角度が公差内に収まっているかなども自動的に判別しています。

曲げ作業が完了した後は、曲げ方向や曲げ回数をチェックする画面が表示されます。画面をタッチして最終承認を行うと、完了報告とともに加工データが生産管理システムに反映されます。

OKIでは各工程にこのような仕組みを設けています。加工の進捗状況を誰でも把握できることで、工程管理の省力化や生産活動の“見える化”につなげています。

画像:全自動曲げ加工システムEG-6013ARによる加工サンプル全自動曲げ加工システムEG-6013ARによる加工サンプル

つづきは本誌2014年1月号でご購読下さい。

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