Interview

5年間で売上倍増、20億円を達成

創業50年余、中堅企業としての“責任”と“誇り”

株式会社 仁張工作所 代表取締役 仁張 正之 さん

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画像:3次元ソリッド板金CAD SheetWorksで作成した「貴重品ロッカーB(3列10段)」の3次元モデル3次元ソリッド板金CAD SheetWorksで作成した「貴重品ロッカーB(3列10段)」の3次元モデル

㈱仁張工作所は、現取締役会長の仁張清之介氏が、東海道新幹線が開業した1964年10月に創業、スチール家具製造を始めた。事業は年々拡大し、1974年に株式改組。仁張会長の子息で現社長の仁張正之氏は神戸大学大学院卒業後、他社勤務を経て同社に入社、1996年に社長に就任した。以後、企業を取り巻く環境が変化する中で、成文化した経営理念のもと、ボトムアップによる組織力の強化、マーケット志向に基づくWebを活用した受注窓口の整備、自社ブランド製品であるスチール家具の開発など、次々と対策を打ち出していった。地域を代表する中堅企業として、EMS(エネルギーマネジメントシステム)とQMS(品質マネジメントシステム)の一体化による環境対策、地域との共生・活性化といったCSR(企業の社会的責任)の取り組みも充実。創業50周年を迎えた2014年は、東大阪市の中小のモノづくり企業30社とのネットワークを活かし、年商20億円を達成した。

画像:代表取締役 仁張正之さん代表取締役 仁張正之さん

―2014年で創業50周年を迎えられ、先進CSR(企業の社会的責任)企業としても注目されています。

仁張正之(以下、姓のみ) 企業には“ヒト・モノ・カネ”という資産のほかに、会社が長年培ってきた信用や技術、ノウハウなど様々なものがあります。そこで当社では2008年より知的資産経営に取り組み、3年ごとに「知的資産経営報告書」を発行し、現在は2012年版を活用しています。これは自社の経営理念や財政状況、ヒト・モノ・カネまでを含めた自社の強み・弱みを開示し、財務諸表だけでは把握できない自社の価値を確認するものです。また、2000年にISO9002の認証を取得したことがきっかけとなり、ムダ、ロスを省いた高品質なモノづくりを目指して、持続可能な地球環境を護ることを認識しました。2003年には環境省が推進する「エコアクション21」のパイロット事業者として環境マネジメントシステムを導入、社員一丸となって取り組む中で「品質が向上すると環境への負荷も低減する」ということを確信しました。そういった当社で実践してきたプロセス、結果を講演などでお話をすることが多くなり、当社の露出度が高まっているのだと思います。

画像:パンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+ASR-48Mはブランク工程の主力のひとつパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+ASR-48Mはブランク工程の主力のひとつ

―社長に就任されて以来、景気の変動、リーマンショックなども経験されましたが、ここ2~3年の業績は新記録を更新中とお聞きしています。新規業種への取り組み方など、その経緯を教えてください。

仁張 1996年、私が36歳の時に父親より社長の座を譲られ、それ以後、ボトムアップ型経営に身を入れ、社員の声が活かされる社風づくりに力をそそぎました。丁度その頃にWindows 95が発表され、パソコンとインターネットが普及していきました。また、1989年のベルリンの壁の崩壊により、東西冷戦という思想的な緊張がなくなったことで、一気にグローバル競争が熾烈になってきました。その結果、国内の大手企業が生産を海外へ移転する傾向が強まり、国内産業空洞化が進行していきました。当社が受注していたスチール家具の別注品も数が減少、従来のプロダクトアウト型ビジネスに限界を感じるようになりました。そこで経営に関してはマーケットイン型のビジネスを重要視、自社のWebサイトを充実させ、自社ブランドの貴重品ロッカーやデザイン家具などを個性豊かにPRするようになりました。現在ではWebサイトへのアクセス数は1日に1,000件以上にもなります。

つづきは本誌2015年1月号でご購読下さい。

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