特集

モノづくりの"見える化"を図る生産管理システムの現状

生産管理システムと3次元CADの活用で企業価値創造を目指す

各種盤製品の製作にワンストップで対応

ユタカ電機 株式会社

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画像:3次元ソリッド板金CAD SheetWorksで作成したガソリンスタンド用サービスユニットの3次元モデル(山県工場)3次元ソリッド板金CAD SheetWorksで作成したガソリンスタンド用サービスユニットの3次元モデル(山県工場)

板金加工技術を基盤に各種盤製品をワンストップ対応

ユタカ電機(株)は、各種制御盤・計装盤・操作盤・配電盤を中心に、設計(メカ・電気)~製造~組立・配線~試験・検査~出荷~設置~メンテナンスまでワンストップで一貫生産できることを特長としている。

1969年に創業、当初から大手電機メーカーとの取引を開始。4~5年後からは、得意先の「トータルで対応してほしい」という要望に応じるかたちで盤の組立・配線まで手がけはじめ、パートナーサプライヤーとしての地位を確立した。組配の立ち上げに際しては、得意先の技術指導を受け、それが現在の同社の礎になっている。

1990年、現在地に本社工場を開設し、管理・営業・設計・組配の機能を移転。旧本社工場を「山県(やまがた)工場」と改称し、板金専門工場とした。現在の生産品目は、本社工場と山県工場が連携して設計から組配までトータルで対応する「盤製品」と、山県工場で完結する「精密板金部品」に大別される。

「盤製品」は、ワンストップ対応という同社の特長を活かした主力製品であり、売上全体の70%程度を占める。具体的には、上下水道施設や鉄鋼プラント向けの監視盤・計装盤・制御盤・分電盤・受配電盤・分析計盤、FPD 製造装置向け電源盤、ガソリンスタンド向けのサービスユニットやローリー荷下ろし操作盤、メガソーラー向けの各種盤(組配なし)、放射線線量計などが挙げられる。
創業以来の基盤技術である板金加工技術を活かした「精密板金部品」は、売上全体の30%程度。3~4年前と比べると倍増しており、今後も成長が見込まれる。得意先である電機メーカーが組配工程の内製化を進めている関係で、盤製品でも部品単位での供給を求められることが増えてきた。また最近は、工作機械業界の好調を反映して、工作機械向けのカバー・機構部品の受注が増加している。

画像:代表取締役の清水明光氏代表取締役の清水明光氏

リピート・量産品と新規・単品の混在が課題

代表取締役社長の清水明光氏は「盤製品の中では、ここ2~3年、メガソーラー向けパワーコンディショナー(PCS)の筐体の仕事がかなり増えています。工作機械関連の仕事は、前年比で3倍程度、売上比率10%強まで増加しています。長尺製品や5´×10´材など、他社では対応できない仕事が集まってきているようです」と語っている。

統括本部長の蛭川(ひるかわ)和信氏は「メガソーラー向けPCS筐体は月150セット以上、2面で1セットなので月300面以上を生産しています。全数リピート品で、月単位でオーダーを受け、板金~塗装~出荷に対応しています。その一方で、従来の盤製品や工作機械関連のお客さまからも随時注文が入ってくる。盤製品は設計からの対応になり、納期は1.5カ月程度、100%新規品で、ロットは1~10台です。工作機械関連は板金部品単位での対応で、新規品が50%程度、溶接・塗装まで含めて1週間という短納期です」。

「このように山県工場では、一方でメガソーラー向けPCS筐体をはじめとするリピート・量産品の生産に1日8時間くらいの機械稼働時間を取られながら、もう一方では従来の盤製品や工作機械関連の新規・単品の生産に随時対応しなければなりません。こうした状況が、山県工場のスケジュール管理と納期管理を難しくしています」と同社が直面している生産管理上の課題を語っている。

画像:メガソーラー向けパワーコンディショナーの筐体。月150セット(300面)以上を生産している(本社工場)メガソーラー向けパワーコンディショナーの筐体。月150セット(300面)以上を生産している(本社工場)

つづきは本誌2014年12月号でご購読下さい。

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