中国の光と影を目の当たりに
国内でネットワークを組み、在野の仕事を集める方針も
神戸鈑金工業 株式会社
神戸鈑金(成都)金属有限公司の工場内
半世紀を超える社歴
同社は1944年、神戸市内で藤谷社長の祖父によって板金加工業として創業された。やがて大手建設機械メーカー、コベルコ建機(当時は神戸製鋼の建設機械部門)から油圧ショベルやクレーンのキャビン、板厚3.2mm以下の各種カバーを受注するようになり、事業は順調に拡大していった。1979年には500トンのプレスを導入、プレスキャブや3次元形状の複雑なカバーの生産にも取り組み、順調に事業を拡大してきた。
藤谷良樹社長(左)と藤谷直樹専務(右)
リーマンショック前年が建設機械受注のピーク
内閣府の機械統計によると、建設機械の受注総額は2007年に2兆1,902億円まで拡大し、国内外比も3対7と外需が大きく成長した。しかし2008年のリーマンショックで受注総額は34.9%減の1兆4,262億円となり、2009年には9,096億円と1兆円の大台割れとなった。この時も国内外比は3対7と変化はなく、その後は中国などの新興国需要の高まりで外需が伸びていった。
建設機械の国内市場は3.11東日本大震災後の復旧・復興需要の拡大と、排ガス規制にともなうリプレースなどにより大きく拡大。2013年の国内受注額は6,633億円と、過去最高を記録した。外需も新興国需要が続伸したものの、需要のある場所で生産する「地産地消」の考えが建機メーカーに浸透、日系メーカーの現地生産が拡大した。これによって海外からの受注額は2011年の1兆5,617億円から、2013年には1兆908億円に減少していった。
こうした建機業界を取り巻く市場の変化に対応して、同社の受注・製造環境も大きく変わっていった。
本社工場。7台のネットワーク対応型ベンディングマシンで曲げ加工を行う
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