特集

好調な工作機械需要に対応する板金カバーのモノづくり

大型・高精度・5軸制御 高付加価値機種を中心に対応

スプラッシュガードとテレスコピックカバーの専門メーカー

株式会社 畠山製作所

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画像:大型機種向けテレスコピックカバー。板金部材は100%内製している大型機種向けテレスコピックカバー。板金部材は100%内製している

工作機械カバーの専門メーカー

(株)畠山製作所は、マシニングセンタやターニングセンタなどに使用する「スプラッシュガード」と「テレスコピックカバー」の開発・設計・製作・組み付けまでトータルで対応する工作機械カバーの専門メーカー。主要2製品で売上の大半を占めており、売上に占める割合はスプラッシュガードが約60%、テレスコピックカバーが約40%となっている。

同社は1975年頃から工作機械のハウジングカバーの設計・製作をスタート。高速駆動するX ,Y,Zの各軸を保護するパネルテレスコカバーや、ワークテーブルのスピンドルなどを高速スライドして防塵防護するテレスコカバー、さらに、欧州を中心に進められてきた安全・衛生基準に対応した密閉飛沫防止型スプラッシュガードなどの開発・設計・製作を手がけてきた。また、公共展向けのデザイン性の高いカバーを開発したり、一品一様の客先仕様にも柔軟に対応するといった仕事で、得意先の信頼を高めていった。

それとともに、工作機械メーカーとのコンカレントエンジニアリングに対応するため、早くから3次元設計を採用。さらに並行して、板金加工設備をはじめとする生産設備の自動化・高精度化を進め、得意先のQ,C,D要求に高い水準で対応してきた。

現在の主要得意先としては、牧野フライス製作所、DMG森精機、東芝機械、三井精機、三菱重工業など名だたる工作機械メーカーが名を連ねる。2012年12月には、メインの板金部材の加工、塗装・組立工程の強化のため第3工場を建設、従業員152名と5つの生産拠点をもつまでに成長している。

画像:代表取締役社長の小泉直行氏代表取締役社長の小泉直行氏

昨年秋から高付加価値機種を中心に活況

小泉直行社長は「2013年の上期までは低調でしたが、下期に入ってから猛烈に忙しくなりました。特にチタンやアルミの航空機部品を加工する大型機種、航空機エンジン向けや5軸制御の高付加価値機種の受注が増えています。メインのお客さまからは、今秋からさらに増産する内示を受け、生産能力の拡大・増強に注力しているところです」と最近の活発な受注状況を語っている。

同社が手がけるスプラッシュガードは数十機種。立形・横形・門形のマシニングセンタ向けやターニングセンタ向けがあり、中でも横形マシニングセンタが多い。基本的には、得意先の組立工場の回転率を高められるよう、得意先の組立ラインではクレーンで下ろしてボルトで締めれば良い状態までつくり込んで納品する。開発・設計から加工品質まで、高い管理能力が求められるため、スプラッシュガードの得意先は近在の工作機械メーカー数社に限定。メインの板金部材は社内で製作しているが、それ以外の部材は協力工場に委託し、塗装や組立は社内で対応している。

一方、テレスコピックカバーは納品場所を問わず幅広く受注しており、得意先の数も多い。古い機種の補修品の注文も入るため膨大な機種数を手がけており、板金部材は100%内製している。

画像:パンチ・ レーザ複合マシンEML Z- 3510 NT(材料棚・製 品棚付き)がテレスコピックカバーの板金部材のブ ランク加工を一手に担うパンチ・レーザ複合マシンEML Z- 3510 NT(材料棚・製品棚付き)がテレスコピックカバーの板金部材のブランク加工を一手に担う

つづきは本誌2014年11月号でご購読下さい。

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