特集

好調な工作機械需要に対応する板金カバーのモノづくり

受注の9割が工作機械関連

タブレットPC を活用、必要な時に必要な情報を必要な場所で確認できる仕組みを構築

三東工業 株式会社

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画像:同社で製作した工作機械カバー同社で製作した工作機械カバー

工作機械関連の板金加工に精通

同社は現社長の祖父・中山正雄氏によって1951年に倉敷市玉島で造船関連や建築関連の部材加工を行う玉島断接として創業。1958年には㈲三東工業として法人化、鋼構造物工事の許可を得て、建築分野に事業を拡大した。1971年に三東工業㈱に改組、運輸大臣登録工場として船舶の建造、修理を行い、1973年に造船と板金部門を分離、1979年に板金加工部門を強化。高品質化、低価格化を実現するために加工設備の充実を図り、当時、玉島に工場があった工作機械メーカーから、旋盤をはじめとする工作機械に使われるブラケットなどの板金部品の加工を受注するようになった。

1988年に現社長の父で現会長の中山道弘氏が社長に就任し、現在地に2,000坪の土地を取得、1989年に新工場を建設。1993年に本社工場として全面移転、1998年に板金組立工場を増設し、事業を拡大していった。

2004年、中山貴之氏が32歳で3代目社長に就任。当時は、工作機械カバー、印刷機械ベッド、鋼鉄製建材等の仕事を受注するなど、事業の柱が3本あった。ところが鋼鉄製家具メーカーの工場は生産の統廃合で同地から撤退、さらに印刷機械ベッドも大型化し、製缶から鋳物へとシフトしていき、仕事も減少した。その結果、必然的に工作機械カバー関連の仕事が拡大していった。

画像:中山貴之社長中山貴之社長

40 年以上継続取引する工作機械カバー

「工作機械カバーの仕事を受注し始めたころは、旋盤のブラケットなど規格品の板金部品をリピート生産していました。その後NC旋盤が爆発的に普及するとともに機種も増え、さらにお客さまがマシニングセンタなどミーリング系マシンの製造も始められるようになって、当社で受注する板金部品の種類も増え、多様化していきました。その一方で、海外への輸出が増える中、地産地消という考えで現地生産化する傾向が強まっていきました」。

「その結果、数が流れる量産機の仕事は海外に流れ、当社が受注する製品は海外では対応できない特殊仕様のカスタム部品で、材料供給、製品搬出装置、検査装置などを組み込んだセル仕様の製品のカバーなど短納期対応が迫られる部品や、海外では生産していないマシニングセンタのスプラッシュガードなどが中心になりました。通常のカバーは出図から製品出荷までのリードタイムが2週間から1カ月程度ありますが、特殊仕様機は3~5日という短期間で製造・出荷しなければいけません。さらに、お客さまの仕様が出荷直前になって変更されることもあって、特急・割込み対応が日常的にあります。当社ではメーカーの発注者と密にコミュニケーションをとり、必要なものを迅速に提供するため、フレキシブルに動ける生産体制をとり、ニーズに応えるよう努めています」と中山貴之社長は最近の受注傾向を説明してくれた。

画像:タブレットPCを使って図面の確認や受注確認を現場で行っているタブレットPCを使って図面の確認や受注確認を現場で行っている

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