Interview

短パルスレーザによる受託加工とレーザ微細加工機の開発・製造に特化

設備している加工機はすべて自社製/レーザ微細加工のパイオニアとして日本のモノづくりに貢献

株式会社 リプス・ワークス 代表取締役CEO 藤田 幸二 さん/代表取締役COO 井ノ原 忠彦 さん

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画像:(株)リプス・ワークスが設計・製造しているピコ秒レーザ加工機「P ピクルスiCooLs」。平均出力30 W、ビームスポット径最小10μm。テーブル・コラムはグラニタン製。カバーは藤田ワークスが設計・製作している(株)リプス・ワークスが設計・製造しているピコ秒レーザ加工機「P ピクルスiCooLs」。平均出力30 W、ビームスポット径最小10μm。テーブル・コラムはグラニタン製。カバーは藤田ワークスが設計・製作している

(株)リプス・ワークスは、レーザ微細加工の受託とレーザ微細加工機の設計・製造に特化した日本で唯一の企業。(株)藤田ワークスの出資により、(株)篠崎製作所のレーザ事業を承継するかたちで2009年に設立された。現在は主に1~100μm(0.001~0.1㎜)単位の微細加工に取り組んでいる。このレベルの微細加工は機械加工では難しく、短パルスレーザの利点が活きてくる。同社が設備しているレーザ微細加工機はすべて自社製。従来の工法とはまったく異なるレーザ微細加工の技術の進歩によって、従来は不可能とされていた加工を実現し、製造プロセスの改善・最適化に貢献している。レーザ(Laser)・プロセス(Process)・ソリューション(Solution)―「L.P.S.」は、リプス・ワークスという社名の由来にもなっている。同社の藤田幸二CEOと井ノ原忠彦COOに、最近のレーザ微細加工の市場動向と今後の発展傾向に関して話を聞いた。

―まずは、おふたりの出会いについて教えてください。

藤田幸二(以下、姓のみ) 私は鹿児島県霧島市で高精度精密板金加工を行う㈱藤田ワークスを経営していますが、高校卒業後は品川区内の企業に勤めた経験もあって、多種多様な情報が集中している東京のモノづくりネットワークに参加したいと常々考えていました。たまたま1997年に、東京都中小企業振興公社のグループ育成事業の一環で、大田区内の電子部品メーカーや機械加工メーカーが結集して設立された異業種交流会「城南ブレインズ」の勉強会に参加することができました。現在リプス・ワークスのCOOを務める井ノ原も、当時は㈱篠崎製作所の代表取締役としてメンバーに名を連ねていました。そこで色々な話をする中で、井ノ原が鹿児島県人であるということや、加工内容は異なってもお互いレーザ加工に縁があるということで、付き合いが深まりました。

画像:藤田幸二CEO(左)と井ノ原忠彦COO(右)藤田幸二CEO(左)と井ノ原忠彦COO(右)

―2009年に篠崎製作所のレーザ事業を承継し、リプス・ワークスをスタートされた経緯を聞かせてください。

藤田 1973年に創業された篠崎製作所は、微細加工のエキスパートとして、高精度機械加工技術と最先端レーザ加工技術をキーテクノロジーに、加工方法の選定から品質・環境・秘密保持などの管理までを含め、最適なプロセス提案をすることを目指していました。レーザ微細加工に特化しているといっても当時は暗中模索で、篠崎製作所は高い技術力を持ち、優秀な人材も抱えているにもかかわらず、先行する開発投資でキャッシュフローが厳しくなっていました。リーマンショック後に同社の経営は行き詰まりましたが、培ってきた技術・ノウハウ、それを支えてきた優秀な人材が拡散してしまうのは惜しいと考えました。そこで井ノ原と話をして、篠崎製作所のレーザ事業を11名の社員ともども継承するかたちで、2009年にリプス・ワークスを設立しました。

つづきは本誌2014年9月号でご購読下さい。

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