Interview

日本を代表する総合試作メーカー、 満を持して介護ロボット産業へ進出

精密板金試作から提案型の一括一貫体制、自社ブランド製品へと展開

株式会社 菊池製作所 代表取締役 菊池 功 さん

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画像:左:東京理科大学・小林宏教授と共同で製品化した着用型動作補助装置「マッスルスーツ」。経済産業省「ロボット介護推進プロジェクト」の補助対象機器に選定された。2015年春から福島県南相馬市の新工場で、月産200台規模で量産の予定/右上:「マッスルスーツ」に使用されているアルミの板金部材/右下:「マッスルスーツ」に使用されているアルミホットチャンバーダイキャスト部材左:東京理科大学・小林宏教授と共同で製品化した着用型動作補助装置「マッスルスーツ」。経済産業省「ロボット介護推進プロジェクト」の補助対象機器に選定された。2015年春から福島県南相馬市の新工場で、月産200台規模で量産の予定/右上:「マッスルスーツ」に使用されているアルミの板金部材/右下:「マッスルスーツ」に使用されているアルミホットチャンバーダイキャスト部材

(株)菊池製作所は400人超の従業員を抱える日本を代表する総合試作メーカー。本社がある東京・八王子、菊池社長の郷里・福島、海外(中国・韓国)に計14カ所の生産拠点をもつ。創業当初から精密板金試作を主体に事業を展開し、今では切削(金属・樹脂)、プレス金型製作、モールド金型製作などの加工技術をもち、デザイン~機構設計~試作金型製作~試作~量産金型製作~小規模量産まで行う「一括一貫体制」を構築。東日本大震災にともなう原発事故で福島工場(飯舘村)が計画的避難区域(現在は居住制限区域)に指定されるという苦難を乗り越え、事業継続を果たして、2012年12月に安倍晋三首相の視察を受け、2013年7月には天皇皇后両陛下の行幸啓を賜った。2011年10月には大証(現在は東証)・JASDAQに上場。介護・医療向けロボットを展開し、2014年6月には「ロボット革命」を成長戦略の柱と位置づけている安倍首相の視察を再び受けた。

―総合試作メーカーを目指すようになるまでの経緯を教えてください。

菊池功社長(以下、姓のみ) 1970年の創業以来、カメラ・時計などの精密機械業界向けに、精密板金による試作を手がけてきました。当時、試作業界で板金を手がけている企業は少なかったので、お客さまからも優遇され、社員一同、開発試作の仕事に携わり、日本の産業の発展の一端を担っていることに誇りを感じていました。しかしその一方で、単一の加工技術だけでは、その誇りもいつかは色あせてしまうのではないか、という危機感をずっと抱き続けていました。お客さまからも、板金部品だけでなく、どういう部品と組み合わさってどういう性能を発揮できるようになるのか、トータルで提案してほしいという要望をいただくようになりました。「それなら当社ができる範囲で様々な加工技術を取り込んでいこう」――そう考えたのが、総合試作メーカーを目指すそもそものスタートでした。

画像:菊池功社長菊池功社長

―それはいつ頃のことになりますか。

菊池 1980年代に入ったばかりのころです。それ以来、従来の精密板金の分野では様々な材料の加工に対応できるように技術の幅を拡げ、金属の切削、樹脂の切削、プレス金型製作、モールド金型製作、プラスチック射出成形、金属射出成形、インサート成形、マグネシウム成形などの加工 技術を採り入れ、デザイン~機構設計~試作金型製作~試作~量産検討~量産金型製作~小規模量産までトータルで行う提案型のビジネスモデルを構築していきました。こうした取り組みが、現在の当社のコンセプトでもある「コアの融合」や「一括一貫体制」をかたちづくっています。

画像:「自立支援装具」のひとつ。6軸パイプベンダーが活用されている「自立支援装具」のひとつ。6軸パイプベンダーが活用されている

つづきは本誌2014年8月号でご購読下さい。

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