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グローバル化に対応する韓国板金業界

日常を取り戻した韓国経済、今年のGDP 成長率は4%へ

FTA締結を戦略にGDP比50%超えの輸出拡大を目指す

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画像:韓国のGDP成長率推移/IMF(2014年と2015年はIMF予測値)韓国のGDP成長率推移/IMF(2014年と2015年はIMF予測値)

セウォル号沈没のショックからは立ち直る

全羅南道(チョルラナムド)珍島(チンド)郡の観梅島(クヮンメド)沖で修学旅行生を含む多くの乗客を載せた旅客船セウォル号の沈没事故が起きた後で、「韓国は深い悲しみと大きな挫折感とで経済活動も停滞しているのではないか」と心配しながら訪韓したが、少なくとも車や人の往来には日常の光景があった。

ソウル近郊の光明(クァンミョン)駅から東大邱(トンテグ)駅まで乗車したKTX(韓国高速鉄道)も社内はほぼ満席、駅での乗降客数も多く、人々の活発な動きを感じた。

韓国でも5月5日は「子どもの日」、また訪韓中の5月8日は「親の日」であり、子どもたちが両親に感謝する日とされている。そのため当日の夕刻、大邱(テグ)市内の2,000軒余りの飲食店が立ち並ぶ繁華街は、駐車スペースもないほどの混雑ぶり。大半が両親を主賓に子どもたちが開く晩餐会で、華やかで賑やかな雰囲気があり、親を敬愛する国民性の表れ、特別なハレの日と感じられ、心が温まった。

OECD、2014年の経済成長率を4.0%に上方修正

実際、5月8日の新聞ではOECD(経済協力開発機構)が、2014年の韓国の経済成長率予想値を昨年11月の3.8%から4.0%に上方修正したというニュースが紹介され、経済の面でも自信を取り戻してきた感があった。今回のOECDの予想値は、IMF(国際通貨基金)が4月に予想した3.7%より0.3ポイント高く、韓国政府の3.9%より0.1ポイント高い。OECDは「韓国の輸出は、世界の貿易量の増加にともない好調が予想される。EUや米国などとFTA(自由貿易協定)を結んでいる点も、成長の上昇要因になる」と分析した。

また、輸出の増加により、韓国企業の投資増加や雇用創出、賃金水準の上昇なども見込めるとした。2015年の経済成長率についても、昨年11月の予想値(4.0%)から0.2ポイント上方修正し、4.2%としている。

さらに5月9日の新聞では、IMFが発表した「世界経済展望」によると、昨年2万4,329ドル(約245万7,229円、1ドル101円換算)だった韓国の1人あたりのGDP(国内総生産)は、世界33位の水準となった、と報じられていた。韓国の1人あたりの名目GDPは、2008年の41位から、2009年と2010年が37位、2011年が36位、2012年が34位と毎年上昇。ちなみに記事には、日本は3万8,491ドルで24位という記述があった。

こうした報道を見る限り、韓国は日常を取り戻しつつあり、経済活動は順調に発展しているという印象を受けた。

つづきは本誌2014年7月号でご購読下さい。

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