特集

グローバル化に対応する韓国板金業界

2,000社の仕事をグループ3社で分散受注

最新設備を導入して顧客満足度の向上を目指す

JEIL PRECISION COMPANY (第一精工)

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画像:昨年導入したファイバーレーザマシンFOL-3015 AJ+LST-3015AJ。材料テーブル用のマニプレータは自社で設置している昨年導入したファイバーレーザマシンFOL-3015 AJ+LST-3015AJ。材料テーブル用のマニプレータは自社で設置している

韓国板金業界を代表する老舗企業

1968年にLee Soon-ho社長の父親である李在漢前社長がアイロンの部品の仕事を始め、その翌年に会社設立。この頃、韓国産の板金機械は少なく、同社は自社製のシャーリングマシンやハンドル操作のベンディングマシンを開発、社内設備として活用していた。1974年に子息のLee社長が入社。以来41年間、板金加工一筋で、いわば韓国板金産業の発展を支えてきた功労者でもある。

1979年にアマダ製のベンディングマシンRG-100を導入、5階建のアパートのドア・配電ボックス・ダストシュートの製造・販売を始めるようになった。当時、材料切断から仕上げまでを一貫してできる板金企業は少なく、同社に仕事が集中。以後、1986年のアジア大会、1988年のソウル五輪の開催準備で、仕事はますます増えていった。1989年にパンチングマシンPEGA-357、ベンディングマシンRG-150、長尺製品の切断ができるシャーリングマシンを3点セットで導入。

「この設備でレジャーランドの建物に使うアルミ製の構造物を受注しました。500トン弱のアルミをつぶし、半年ほどの工期で製作、施工まで当社が担当しました。当時はそれだけの物件に対応できる業者は国内でも少なく、おかげで導入した設備が半年で償却できました」と、Lee社長は当時の好景気ぶりを話す。

「漢江(ハンガン)の奇跡」といわれる高度経済成長をフォローに、同社の事業は拡大。しかし、同一業種だけに頼るのは危険だと考え、Lee社長は事業の発展とともに得意先業種・企業の拡大を積極的に進め、半導体製造装置や農業機械、製薬機械などに使われる板金製品の加工を手がけるようになっていった。そして1995年に2kW発振器を搭載したレーザマシンLC-βを導入、1996年にはLC-αを導入し、レーザ加工をコア技術としていった。

韓国は1996年に「先進国クラブ」と呼ばれていたOECD(経済協力開発機構)に加盟、中進国から先進国への仲間入りを果たしていった。

画像:Lee Soon-ho社長Lee Soon-ho社長

経済は冬の時代―IMF管理

ところが1997年のアジア通貨危機によって韓国経済は大きな打撃を受け、大手財閥系企業が経営破綻、韓国経済への国際的な信用不安が高まった。このため、IMF(国際通貨基金)が韓国政府に緊急融資を行い、IMF主導で「財政再建」「金融機関のリストラと構造改革」「通商障壁の自由化」「外国資本投資の自由化」「企業ガバナンスの透明化」「労働市場改革」などが実施される「IMF管理」の時期を迎え、韓国経済は冬の時代を迎えた。しかし、同社は得意先業種・企業を拡大してきたことで、この厳しい時代を乗り切ることに成功した。

画像:左:ベンディングロボットシステムASTRO-100NT+HDS-1030 NTR/右:HDS-8025 NTによるコンピュータハードディスクケースの曲げ加工左:ベンディングロボットシステムASTRO-100NT+HDS-1030 NTR/右:HDS-8025 NTによるコンピュータハードディスクケースの曲げ加工

つづきは本誌2014年7月号でご購読下さい。

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