特集

グローバル化に対応する韓国板金業界

ATMやデジタルサイネージ用表示装置を製作

3次元CADを活用したデザイン・設計からの受注拡大を目指す

YALE INDUSTRY Co.,Ltd. (芸一産業)

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画像:2013年導入したファイバーレーザマシンFOL-3015AJ+LST-3015AJ2013年導入したファイバーレーザマシンFOL-3015AJ+LST-3015AJ

テレビ部品のプレス加工からスタート

Ryu Han-kyu(柳漢奎)社長は陶芸好きが高じて陶磁器関連で起業、社名にも反映させた。ところが開業して3カ月を経た頃、叔父が操業していた大宇電子のテレビ部品製造の仕事が繁忙期に入り、援助の依頼があったことで事業転換、プレス金型製作とプレス加工の仕事を始めることになった。金型製作のベテランを工場長に招聘することができ、事業がスタートした。大宇電子は財閥系企業である大宇グループの中核企業。テレビ事業を中心に家電ビジネスを展開していき、同社も大宇電子の発展とともに成長していった。

画像;Ryu Il-hwan理事Ryu Il-hwan理事

大宇電子の倒産を契機に2000 年から精密板金加工へ

ところが1997年のアジア通貨危機で大宇グループの経営が破綻、1998年に大宇電子は倒産した。大宇グループの業績悪化を察して同社も得意先を多角化し、LGエレクトロニクスなどとの取引も開拓、家電関連からコンピュータや情報関連機器の仕事へとシフトした結果、量産から多品種少量部品への対応が求められるようになってきた。

しかも、韓国経済は1998年以降、IMF管理に移行し、財閥系企業のコーポレートガバナンス――企業の不正行為の防止と競争力・収益力の向上を総合的にとらえ、長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組みづくりが求められるようになった。

こうした時代の変化に対応するため、Ryu社長は知人の紹介で板金加工分野への参入を決断。1999年にアマダコリアからパンチングマシンVIPROS-255とベンディングマシンRG-35S/80/100Sを導入し、2000年から精密板金加工を開始した。

Ryu社長の子息であるRyuIl-hwan理事は「伝を頼って取引ができたのがNautilusHyosung社のATM部品の製造でした。ATMは筐体と紙幣を保管する金庫室と、紙幣の出し入れを行う数百点にもおよぶ内部機構部品(メカ部品)から構成されます。当社は金型製作からプレス加工、バー材からピンを製造する切削加工などの設備・ノウハウを備えていたので、NautilusHyosung社からは筐体製作からメカ部品の製造まで、一式で仕事を発注していただけるようになりました。その一方で、1業種だけに絞るのは危険と考え、電子機器や情報端末の仕事なども増やしていきました」と、板金加工へシフトした経緯を語ってくれた。

画像:ATMの電装組立ATMの電装組立

つづきは本誌2014年7月号でご購読下さい。

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