Next Fiber with Punch

高生産・省エネ加工を実現するファイバーレーザ複合マシン

5´×10´材に対応したTK付きのセルラインでC1AJを導入

板厚2.3 ㎜までのSUS・SPCC の薄板の高速加工を実現

株式会社 ヤマイチ

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画像:2014年3月に導入したファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJ(5´× 10´対応2連棚・TK付き)2014年3月に導入したファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJ(5´×
10´対応2連棚・TK付き)

業務用空調機器と工作機械カバーが好調

同社は現在、業務用空調機器の架台や防雪カバーなどが40%、工作機械カバーが30%、食品包装機と弱電関連がそれぞれ15%といった売上構成となっている。

主力事業である空調機器は夏場から12月くらいまでが繁忙期。ところが今期は1月頃まで忙

しい状態が続いた。10年ほど前から手がけ始めた工作機械カバーも昨年から受注が好調で、現在も繁忙感がある。食品包装機・弱電関係は例年程度の仕事量を確保、今期の売上は前期比で110%程度と増収基調で推移している。

業務用空調機器は省エネ対策により、1台の室外機で複数の室内機に対応するパッケージエアコンの需要が増大、更新需要が増えている。また、東日本大震災以後は政府が進める「国土強靭化」対策により、学校や公共施設の耐震性を改善する建て替え需要が出てきている。また、2020年の東京オリンピック開催へ向け、首都圏を中心に大規模開発が計画されており、ビルの新増設が相次ぐと考えられ、業務用空調機器の需要には底堅いものがある。

工作機械も、国内は産業競争力強化の一環で設備投資減税が実施され、更新需要が堅調に推移している。低迷していた輸出も緩やかに回復しており、今年の受注額は1兆3,000億円と、前年と比べ2ケタ増となる予測が発表され、年内は生産が増えると予想されている。

こうした受注環境の変化に対応して渡辺雅一社長は「今期は前期以上に仕事が増えるので、納期遅延を起こさないためにも、先頭のブランク工程がトコロテン式に仕事を押し出して、後工程をプッシュする必要があると考えています。そのためにブランク工程の増強を計画しました」と語る。

画像:代表取締役の渡辺雅一氏代表取締役の渡辺雅一氏代表取締役の渡辺雅一氏代表取締役の渡辺雅一氏

ブランク工程の設備力を強化する必要性

ブランク工程の増設に際して渡辺社長が考えたのが、受注する80機種、毎月50機種以上が流れる空調用室外機を覆う防雪カバーの部材加工への対応だ。

防雪カバーは小型から大型まで各種あり、長さは1mから4mにおよぶ。これらは耐候性・耐蝕性を考慮して、素材の90%以上にSUS304またはSUS316の板厚1.0~2.0㎜の薄板が使われる。こうした材料を高速で加工するとともに、裏キズレス加工や、PL法対応のためのバリレス加工も重要な課題だった。しかも、ロットサイズは5~50台と、典型的な多品種少量生産品で、納期は通常10日程度。工程途中での設計変更や特急・割込みも日常茶飯事だった。

「防雪カバーは複数の板金部材を加工し、一部組立・梱包まで行っています。外周加工はむろん、穴あけやM2・M4・M5のタップ加工もあるので、EMLやAPELIOなどのパンチ・レーザ複合マシンで加工していました。ワンクランプで長穴・異形穴を含む穴あけ加工から、バーリングなどの成形加工、外周加工までこなすことができる工程統合マシンは当社にはなくてはならない設備。だからこそ今回導入する複合マシンには、ステンレス・薄板の高速加工と、ドロスフリー切断を求めていました」と渡辺社長は設備導入にあたっての課題を語っている。

画像:TKがパレットに整列・積載したワークTKがパレットに整列・積載したワークTKがパレットに整列・積載したワークTKがパレットに整列・積載したワーク

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