特集

拡大する医療市場に貢献する板金

世界の医療機器市場、2015年には3,109億ドルへ

国内の板金デマンドは400億~450億円

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画像:世界の医療機器市場の推移/Espicom「Medistat Worldwide Medical Market Forecasts To 2015」世界の医療機器市場の推移/Espicom「Medistat Worldwide Medical Market Forecasts To 2015」

医療機器産業を次世代の基幹産業に

本年1月号に掲載した小誌の新春アンケート調査では、これからの成長産業として注目する、または得意先を開拓したい分野として、「医療機器」を挙げる回答が圧倒的に多かった。これは日本再生戦略の一環である成長戦略の柱として、医療機器産業を次世代の基幹産業に位置づけ、先端医療開発特区の設置をはじめ、産官学が連携して医療機器産業をこれからの中核産業として育成していくという政府の方針も強く影響しているとみられる。

医療機器産業は、他の産業と比較して景気変動の影響を受けにくいことでも人気を得ている。総人口が減少局面に入った日本では医療に関わる支出が減る公算もあるが、中国・インドといった人口の多い新興国では今後、医療分野への支出が増え、高度医療へのニーズも高まることが考えられる。こうした背景から世界の医療機器市場は今後も緩やかな成長が続くと期待されている。

画像:国内の医療機器市場規模の推移/厚生労働省「薬事工業生産動態統計」国内の医療機器市場規模の推移/厚生労働省「薬事工業生産動態統計」

2013年度第4四半期は消費増税と決算対応で増産

今号の医療機器特集にあたり、関連する仕事を受注する板金サプライヤーを取材したが、消費増税前の駆け込みと得意先の期末対策により、各社ともフル操業状態だった。中には昨年9月比で150%もの受注を抱え、残業・休出で対応する企業もあった。消費増税の影響で4~6月期は前期比でマイナスになる可能性も否定されていなかったが、得意先の内示では大きな落ち込みはなく、逆に4月から新機種の量産が始まるため、機械設備の増設を検討するサプライヤーもあった。少なくとも現在、医療機器関連の仕事を受注しているサプライヤーは、全体的に好調の恩恵を受けている。しかし、これから新規に医療機器業界を目指すとなると話は変わってくる。医療機器は分野・機能によって細分化されており、それぞれ需要の動向は異なる。大手医療機器メーカーの調達関係者に話を聞くと、「医療機器全体は好調といえるほど好調ではない」という答えが返ってくる。たしかに医療機器の総出荷額を見ても2013年は前年比微増であり、消費増税前の駆け込みも一過性のものだ。さらに、代表的な医療機器である画像診断装置などは、GEヘルスケア(米国)、シーメンス(ドイツ)、フィリップス(オランダ)のビッグ3が世界市場で圧倒的なシェアを占めている。さらに、韓国のサムスン電子が本格的に同分野へ進出するともいわれ、コモディティ化による価格競争が熾烈になる懸念がある。

また、血液などの検体検査装置なども一度に多項目の検査が可能な多機能タイプをはじめとして、開発競争が激しくなっている。

つづきは本誌2014年4月号でご購読下さい。

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