特集

拡大する医療市場に貢献する板金

医療・理化学機器が増産の見込み

板厚3.2mmのフレーム筐体は複合マシンで加工対応

日本ゲージ 株式会社

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画像:同社が製作する医療・理化学機器向けの板金部材同社が製作する医療・理化学機器向けの板金部材

ピーク時はエレベータ関連が売上の90%超を占める

日本ゲージ(株)は「社員の自己成長を尊重し、ものづくりの楽しさを通じて技術革新を進め、新しい時代の産業発展に貢献します」を企業理念に掲げ、精密板金の技能集団として板金加工――中でもエレベータのカゴ室など”大物”といわれる分野において、提案力や技術力で得意先から高い評価を受けている。

1951年から受注しているエレベータ関連の仕事は同社の中核事業で、ピーク時には売上の90%超を占めるまでになっていた。しかし1991年のバブル崩壊後は国内における商業ビルやマンション建設などへの建設投資が減少するようになって、国内のエレベータ需要も収縮していった。それ以降は、得意先の了承を得たうえで、同業他社の仕事も受注して、仕事量を確保してきた。

画像:取締役工場長の山野内大二郎氏取締役工場長の山野内大二郎氏

エレベータ関連以外からも受注―医療・理化学機器の仕事量が増加

エレベータ関連の仕事を中核事業として育てていく一方で、同社は以前から主力得意先であるエレベータメーカーの他の事業部門やグループ関連企業からの仕事を受注し、鉄道車両の床下機器や大型プリンタ、医療・理化学機器の板金部品も手がけてきた。

このうち、バイオ研究やナノ粒子研究などの理化学機器分野や、ワクチン製造に必要な試料を大量に精製する医療機器分野などで用いられる機器・装置のフレーム筐体やカバーの仕事は、長年にわたってわずかなボリュームだったが、ここへきて急速に仕事量が増加しているという。

画像:同社のブランク工程。EMLのほか、パンチングマシンPEGA-358NT×2台とEMZ-3510NTの計4台が自動倉庫MARSと連携する同社のブランク工程。EMLのほか、パンチングマシンPEGA-358NT×2台とEMZ-3510NTの計4台が自動倉庫MARSと連携する

医療・理化学機器のフレーム筐体加工

現在、医療・理化学機器向けの製品受注は2013年度で売上全体の10%を占め、2014年度は20%程度まで拡大する見込みとなっている。

取締役工場長の山野内大二郎氏は「1978年頃、お客さまである大手エレベータメーカーのグループ企業から、医療・理化学機器のフレーム筐体製造の話が来ました。当社はエレベータのカゴ室などの大型板金製品の設計から製作・塗装・配線・組立までに実績を持っていたので、W500×D500×H600mmという医療・理化学機器のフレーム筐体の製作にあたっても不都合はありませんでした。使用する材質はSECCの板厚1.0~4.5mm。難点としては、フレーム自体は剛性をもたせるために3.2mmの材料を使うため、ニブリングで加工するとバリ取り作業が大変になることです。また、シート加工するため加工後のバラシ・仕分け作業にも人手が必要でした。3.2mmのため重量もあり、作業者の負担も大きくなります。そこで仕事量増加の内示をいただいたことで、フレーム筐体の加工の自動化・合理化対策も課題として掲げ、2013年6月にパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NTP+RMP-2512NTKを導入しました」と語っている。

つづきは本誌2014年4月号でご購読下さい。

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