特集

拡大する医療市場に貢献する板金

人工透析機器の筐体一式を塗装・シルク印刷まで対応

社歴7年―精密板金と加飾成形の2本柱で着実に成長

株式会社 ワークステーション

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画像:左:人工透析機器の筐体。塗装・シルク印刷まで行い、得意先の組立ラインに直接納品する。材料はSECC・板厚1.2㎜が中心。/右:人工透析機器の筐体左:人工透析機器の筐体。塗装・シルク印刷まで行い、得意先の組立ラインに直接納品する。材料はSECC・板厚1.2㎜が中心。/右:人工透析機器の筐体

精密板金と加飾成形の2本柱

2007年に海老沼惠也社長によって設立された(株)ワークステーションは「精密板金加工」と「加飾成形加工」の2つの事業を柱としている。売上構成比でみると、精密板金が30%、加飾成形が全体の70%を占める。

精密板金は板厚2.0mm以下の薄板の加工を得意とし、メインの医療機器の筐体・部材の製作が約30%、残りの約70%は半導体製造装置関連、サーバーラック、集配ボックスなどの建築金物類となっている。従業員20名の中企模、社歴10年に満たない後発企業でありながら、5~10セットの小ロット製品で3次元設計から完成品納品までのセット受注で対応できることを強みに、着実に業績を伸ばしてきた。

加飾成形は、固体レーザ(YAG)またはガスレーザ(CO2)の自社製3次元レーザ加工機(剥離・マーキング)を駆使し、アミューズメント機器(主にパチンコ台)に使用される意匠性が高い3次元形状の樹脂製装飾部品を製作。今後はこの加工技術をアミューズメント機器以外の分野へと展開するとともに、この装置自体の外販にも取り組んでいこうとしている。現在の得意先は約20社。このうちメインの8社で売上全体の90%を支えている。

画像:代表取締役の海老沼惠也氏代表取締役の海老沼惠也氏

エンジニアリング主体のビジネスモデルを構想

海老沼社長は、塗装業をルーツにもつ板金企業で長年にわたり勤めた後、2007年に独立し、同社を設立した。

海老沼社長は「前職は表面処理が主体の会社で、板金から表面処理まで一気通貫で対応できることが特徴でした。しかし独立し、ゼロからのスタートとなると、同じビジネスモデルは使えません。そのため当社は、板金筐体・部品の設計に力を入れ、量産ではなく設計・試作を事業の中核に据えようと考えました」と語る。

「お客さまが国内外での量産を考えたときに、当社でつくり込んだ図面やCAD/CAMデータを提供し、通常の加工設備で、そのデータどおりに忠実に加工すれば、同じ品質の製品をつくることができるようにする。お客さまの量産の垂直立ち上げを実現するためのノウハウを提供することで付加価値を高め、モデルチェンジのたびに当社のノウハウが必要になる。こうして新しい技術・ノウハウを常に研鑽しながら、確立されたノウハウを提供していく、エンジニアリング主体のビジネスモデルを構想しました。このビジネスモデルを経営基盤の強化に取り組む『経営革新計画』として作成し、県から承認を受けました」。

画像:ベンディングマシンHDS-8025NT。Dr.ABE_Bendが外段取りで作成した曲げ加工データを呼び出して加工することで段取り工数を削減し、マシンの稼働率が向上したベンディングマシンHDS-8025NT。Dr.ABE_Bendが外段取りで作成した曲げ加工データを呼び出して加工することで段取り工数を削減し、マシンの稼働率が向上した

つづきは本誌2014年4月号でご購読下さい。

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